ルネサス エレクトロニクスは9月10日、PC周辺機器やデジタルTVなど、複数の電子機器と接続を行う際に使用される集線装置(ハブ)向けに、低消費電力・小型のUSB3.0対応ハブコントローラLSI「μPD720210」を発表した。
USBは、現在世界中に幅広く普及しており、映像コンテンツや記録メディアの大容量化に伴い、インタフェースに対する高速化へのニーズが高まっている。これに対応するため、USB2.0の転送速度480Mbpsを10倍に高速化したUSB3.0が規格化されている。最近では、USB3.0対応ホストコントローラLSI内蔵チップセットの登場により、PCやデジタル家電などでUSB3.0が普及しつつある。
このような状況の中、ホスト機器に接続するUSB3.0対応機器の増加に対応するため、ホストと接続されるドッキングステーション、モニタ、デジタルTVなどにハブを搭載するニーズが高まっている。ハブには、待機電力の低減、小型基板への搭載が求められており、USB3.0対応ハブ・コントローラLSIには、パッケージの小型化や周辺部品内蔵に伴う省スペース化などが求められている。
同製品は、USB2.0規格製品により蓄積された接続性と省電力のノウハウをベースに、USB3.0対応ホストコントローラLSI「μPD72020x」シリーズで培ったUSB3.0技術を結実させ、高い接続互換性を実現した。これにより、ホストの高速性を十分活かしたデータ転送が可能となった。この高性能と高信頼性からMicrosoftより、Windows8ハードウェア認定が与えられている。また、USB関連の仕様策定団体である「USBインプリメンターズ・フォーラム(USB-IF)」の認証に関しても、公式なUSB3.0ハブ認証開始後、速やかに認証が取得できるよう、準備を行っているという。
また、従来品で実現していた「周辺機器が未接続な状態において電力を低減する技術」に加え、今回は周辺機器の省電力モード時にリーク電流を徹底的に抑制できるように回路を改良。これにより、省電力モード時の消費電力は約5mWと、国際的省エネルギー制度である「国際エネルギースター(ENERGY STAR)」などの省電力規格への準拠に寄与することが可能となった。さらに、USB3.0動作時でも約350mWと、業界最小クラスの低消費電力を実現している。
この他、周辺部品の5V電源を同製品に必要な3.3/1.05Vに降圧するレギュレータやバッテリーチャージ規格に対応した充電サポート機能などの部品を内蔵したことにより、必要周辺部品を含めた総実装面積においても業界最小クラスを実現した。
なお、パッケージは9mm角の小型QFN。サンプル価格は300円。