富士通は、国立情報学研究所(以下、NII)の人工頭脳プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」に、本年度から富士通研究所が数学チームとして参画すると発表した。

プロジェクトのロゴ

「ロボットは東大に入れるか」は、NIIの新井紀子教授を中心にして、1980年以降細分化された人工知能分野の研究を再び統合することで新たな地平を切り拓くことを目的に、2011年にスタートしたもの。プロジェクトとしての目標は、2016年までに大学入試センター試験で高得点をマークし、2021年に東京大学入試を突破すること。

プロジェクトでは、教科ごとにチームで担当する体制をとっており、数学については「数学チーム」での活動が進められている。

富士通研究所では数理的な分析や最適化技術をはじめ、数学の問題を正確に解くために必要となる「数式処理・計算機代数」の研究を長年行っており、この技術をベースに、コンピュータで数学問題を解くためのプログラム(ソルバ)を中心に貢献すべく、2012年度から東ロボの数学チームに問題を解くというアプローチでは企業として初めて参画する。

数学の入試問題をコンピュータが解くための課題は、人間にとって理解しやすい自然言語や数式で表現された問題文を、コンピュータが計算プログラムで実行可能な形式に変換し、プログラム(ソルバ)で問題を解くことだという。そして、そのためには以下の3つの手順が必要だという。

数学の入試問題をコンピュータが解くための課題

富士通研究所は、「東ロボ」(数学)を通して、NIIと共同で人間中心のITを実現するために必要な技術の開発を行い、高度な数理解析技術が誰でも容易に使えるようになり、さまざまな現実世界の問題解決のための高度な数理的な分析や最適化などが自動化されることを目指す。