Texas Instruments(TI)は、低周波で業界最小クラスのノイズ特性を有するLDO(低ドロップアウト)電圧レギュレータ「TPS7A4700」を発表した。

同製品は、出力電流1AのLDOリニア・レギュレータであり、10Hz~100kHzの低周波領域において4.17μVrms未満の出力ノイズ特性を提供することから、通信および産業用、RF(高周波)、医療用などの幅広い高性能アプリケーションに適していると同社では説明している。また、36Vの入力電圧定格を備えていることから、12/24Vの電源バスで動作するシステム内での使用が可能なことに加え、過渡的な高電圧に耐えるための十分な余裕を提供し、追加の高電圧抑圧回路が不要となる。

さらに、簡単なプリント基板の変更で、出力電圧を100mV単位で調整し、高価な高精度の外付け帰還抵抗を不要にできる。これにより既存のソリューションと比較して、基板実装面積の縮小および部品点数の削減を実現することが可能となる。

この他、広い帯域幅および、高いPSRR(電源リップル除去比)を提供することから、より高い周波数で動作するDC/DCコンバータのフィルタ回路の効率化を実現したほか、8本の電圧設定ピンをグラウンドに接続または、オープン状態にすることで、出力電圧をI2CやPMBusなどのデジタル制御方式で設定できるほか、正負両極性の電圧レールが必要なシステム向けには、同製品と-36V/-1A出力LDOリニアレギュレータ「TPS7A330」を組み合わせて使用できる。

なお、パッケージは5mm角の20ピンQFN。価格は1000個受注時で2.10ドル。すでに量産出荷を開始している。

10Hz~100kHzの低周波領域において4.17μVrms未満の出力ノイズ特性を有するLDO電圧レギュレータ「TPS7A4700」