日本気象協会はこのほど、最新型の気象レーダであるXバンドMPレーダを導入し、埼玉県羽生市において9月下旬から試験観測を開始すると発表した。民間気象会社でXバンドMPレーダを導入するのは、同協会が初めてだという。
XバンドMPレーダは、水平方向と垂直方向の2種類の電波を同時に送受信できるのが大きな特徴で、雨雲の発達具合や移動過程の予測、雨粒の形状測定なども行える。
XバンドMPレーダのパラボナアンテナ |
現地に設置が完了した鉄塔 |
同協会は今後、XバンドMPレーダで得られた観測データをもとに、都市部における豪雨や竜巻などの極端気象現象を解明し、防災対策に役立てたいとしている。また冬季には、交通機関の運行管理や道路の通行規制に有用な情報を集める目的で降雪観測を実施し、雨・雪・あられの判別に関する実証実験なども行う予定になっている。
なお、同協会は、国土交通省のXバンドMPレーダ情報を受信して試験的に提供するサービスも7月から行っている。