鹿島は、タブレット型GPS端末を利用して、ダンプ等の運搬車両の位置をリアルタイムに把握し、交通状況に応じたルート変更指示や落下物発見等の緊急通報などの双方向連絡が可能な車両運行管理システム「スマートG-safe」を開発、宮城県で実施中の石巻ブロック災害廃棄物処理業務に適用したと発表した。

同システムは、車両に搭載したタブレット型GPS端末により車両位置をリアルタイムでGPS測位を行い、その位置情報や積荷情報等を工事事務所の運行管理室に自動送信し、地図画面で一元管理する。

運行管理室

運行管理室では、搬入車両の現在位置をGPSにより監視し、それぞれの運搬車両の現在位置を地図モニターに表示し、別モニターにドライバー名や積荷を一覧表示する。

モニター表示例

ドライバーは走行中、積荷の落下や路面損傷、交通規制等を発見したら、緊急度に応じた画面ボタンをタッチするだけで、その位置情報を自動的に運行管理室に送信。また、必要に応じてワンタッチで電話が運行管理室につながる仕組みとなっている。

ダンプの運転席とタブレット端末、モニター表示例

ドライバーから通報された情報は即座に注意箇所として地図上にアイコン表示され、走行中の全車両に共有される。また、渋滞状況や車両の位置情報を基に、渋滞を事前に回避するための運搬ルートの変更等をドライバーに指示し、ルート変更指示を受けた車両では、受信ブザーが鳴って指示メッセージが画面に表示される。

そのほか、運搬車両が速度超過や進入禁止エリア内への侵入を犯した場合、タブレット型GPS端末から警告音及びメッセージ画面でドライバーに警告するとともに、運行管理室のモニターでも警告位置が地図モニター上に表示され、ドライバー名が自動通報される。

警告位置とドライバー名が運行管理室に自動通報

同社では現在、石巻ブロックで稼働中の60台のダンプに同システムを搭載し、今後、約40台のダンプに追加導入し、合計約100台のダンプに搭載することを予定している。