カネカは9月5日、滋賀県立大学人間文化学部生活栄養学科の灘本知憲教授との共同研究により、「甘草グラブラポリフェノール」に脂質代謝の向上作用があることを確認したと発表した。同成果は、2012年8月29日~31日に藤女子大学にて開催された「第59回 日本食品科学工学会」にて発表された。
甘草グラブラポリフェノールは、科学的根拠に裏付けされた抗肥満作用を有する機能性食品素材で、抗肥満作用を検証する過程で、体脂肪を低減する一方、筋肉量を増加すること、さらに冷え症の女性において体表面温度を上昇することなども明らかとなってくるなど、基礎代謝の促進による理想体質を実現しうる素材として期待が高まっている。
今回の試験は、女子学生10名を被験者とし、甘草グラブラポリフェノールまたは対照物(プラセボ)摂取4時間後にエアロバイクによる運動を負荷し、呼気ガス分析を行った。
エアロバイクの負荷強度は最大酸素摂取量(VO2max)の10%、20%、30%、40%に相当する値を被験者ごとに設定。この結果、酸素消費量は40%VO2max負荷時に甘草グラブラポリフェノール群がプラセボ群よりも統計的に有意に高い値を示したことが確認された
また、呼吸交換比においては、運動時に甘草グラブラポリフェノール群がプラセボ群よりも低い値を示し、特に20~40%VO2max負荷時に有意に低い値を示したという。
これらの結果から甘草グラブラポリフェノールを摂取することで脂質代謝が促進されたことが考えられるほか、長時間の運動や軽度の運動強度において、その効果がより顕著に現れる可能性が示唆されたと研究グループではコメントしている。