Objet Ltd.(以下、オブジェット)は、米・ロサンゼルスにて開催されたコンピューターグラフィックスの祭典「SIGGRAPH 2012」においてブースを出展し、映画『アベンジャーズ』をはじめとするハリウッドの映画制作で活用されたという同社の3Dプリンタ技術を紹介した。
同社のブースでは、3Dプリンタ「Objet24」「Objet Eden260V」「Objet Connex350」とともに、バリエーション豊かな造形材料が使用された3Dプリント作品などを展示。さらに期間中は、映画製作会社 Legacy Effectsのリードシステムエンジニアであるジェイソン・ロペス氏によるプレゼンテーションも行われ、ハリウッド映画のデザインや試作品づくりで3Dプリンタ技術がどのように活用されているかが解説されたという。あわせて、『アベンジャーズ』のハルク、『ジョン・カーター』のサーク族などの3Dプリントモデルも披露された。
プレゼンテーションの中で同氏は、「特に『Objet Eden260V』でプリントされたモデルは、試作品としてだけではなく、実際の映画にも活用されました。つまり、3Dプリンタで作られたモデルが映画撮影後の後工程で編集され、劇場用の生のフィルムで使えるように加工されたというわけです。特殊効果の業界は3Dプリンタの技術によって劇的に変化しました」などとコメントしている。
今回で39回目の開催となるSIGGRAPHは,「コンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術の国際会議と展示会」をテーマに学会としてスタートしたもの。開催規模の拡大とともに、CG関連論文の発表だけでなく、企業が開発した先端技術のデモンストレーションの展示など、CGにまつわる様々なプログラムを開催しており、商業的側面も備えた世界最大級のイベントとなっている。
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