アドビ システムズは、同社が提供しているクラウドアプリケーション「Adobe Revel」の記者向け説明会を行った。このアプリケーションは、さまざまなデバイスに散らばりがちな写真データを一括管理するためのものだ。
Adobe Revelは、2011年に「Adobe Carousel」という名前でデビューしたアプリケーション。2012年1月に現在の「Adobe Revel」に名称を変更し、8月23日に最新アップデート(1.5)を行った。2012年8月現在の完全対応機種は、MacやiOS端末といったApple製品のみ |
散らばりがちな写真をクラウドに集約
近年、急速に普及しているiPadやiPhone。それらの端末のカメラで撮った写真や、デジタルカメラで撮影してMac上に保存した写真は、各デバイスごとに同期・管理をするのが一般的だ。
Revelを各デバイスにインストールしておくと、クラウド上にあるひとつのフォトストリームにすべての写真が自動的に同期される。どのデバイスから閲覧してもほぼ同じインタフェースで見られるので、環境に左右されずシームレスな写真管理が実現するという。
Lightroomの技術を使用した写真加工も可能
Photoshopが搭載する多くの機能から、写真の加工に特化して再構築したソフトウェア「Adobe Lightroom」。Revelには、このソフトウェアで使われている加工技術が導入されているため、直感的な操作で写真の加工を行うことが可能だ。Photoshopほどの多彩な高機能は使いこなせないが、手軽に写真の見映えを良くしたいというニーズにうまく応えられている。
新バージョンからAndroid端末対応アプリも登場
現在公開されている最新バージョン1.5からは、アルバムやイベント名での写真管理が可能になったほか、同アプリケーションの共有サイト「AdobeRevel.com」でのプライベートアルバムの共有、新しいiPadのRetina Displayをサポートするなど、使いやすさを高めるための工夫がなされている。
しかし、なんと言っても大きな変化は、これまではAppleの端末に限定されていた使用可能機器に、Android端末が加わったことだろう。Android用アプリ「Revel Importer」をインストールすることで、Android端末で撮った写真をRevelのフォトストリームに同期することができるようになった。ただし、このアプリはRevelのフルバージョンではなく、あくまで写真の同期と共有が行えるというものだ。
ちなみに、無償期間中にアップロードした写真について、課金をしなくても一定期間であれば保存されたままになるという。
Windows、Androidへの対応は?
同社では、写真を撮る機会の多いファミリー層がRevelのメインターゲットだとしている。しかし、日本国内のファミリー層に浸透させるには、まだいくつか課題がありそうだ。 なかでも重要なものとして、WindowsやAndroidといった、Apple以外の端末への対応が挙げられる。こちらについては将来的に対応予定とのことで、対応時期が来たら自動通知するメールサービス(英語)も用意されている。
写真撮影の手段がカメラだけではなくなった昨今、写真を手軽に一括管理したいというニーズは、ファミリーのみならず高まっていくものと感じる。会場のデモでは、iPadで撮影した数秒後に、Revelのフォトストリームに写真が追加される様子も披露された。直感的で手軽な同アプリケーションが、今後のアップデートでさらに強化されていくことを期待したい。