日立ハイテクノロジーズは、半導体プロセス装置事業における海外顧客サポート体制の強化を目的に、米国オレゴン州ポートランド近郊にプロセスエンジニアリングセンタを設立すると発表した。

日立ハイテクの100%子会社である日立ハイテクノロジーズアメリカが運営する解析ラボを拡張し、クリーンルームを新設。設計・デモラボ機能などを備え、総床面積は約3800m2、総投資額は約24億円を予定している。同施設の開設により、顧客対応力の強化と効率的な事業運営を実現し、さらなる事業拡大を図って行く方針。

日立ハイテクは、エッチング装置、評価装置、後工程・実装装置などを手掛ける半導体製造装置事業を、国内をはじめ、北米、韓国、台湾など、グローバルに展開してきた。今回、新たに設立するプロセスエンジニアリングセンタは、同社グループ初の本格的な半導体製造装置の海外技術開発拠点となる。

これまで、笠戸地区(山口県下松市)を主拠点として行ってきたプロセス装置の開発・設計・デモンストレーションなどを一貫して新拠点にて提供することで、顧客ロードマップに同期した装置開発とタイムリーな性能実証を実現していくとする。

さらに、新たに開発したリンク式プラットフォームに搭載する、プロセスモジュールなどの現地での組立や部品調達といった、これまで日本国内で行っていた機能の一部移管も計画しており、これにより事業規模の拡大に加え、生産リードタイムの短縮を図ることが可能になるほか、円高による為替リスクの低減も可能になるという。

今後は、海外顧客の開発サポート体制の拡充を進めていく計画で、450mmウェハ対応製品の開発も視野に入れた、高効率でスピーディな事業運営を推進していくとしている。なお同センタは、2013年3月に着工、同年9月の完成を予定し、順次稼動を開始させる計画。