日本IBMは、タワーレコードにおける顧客一人ひとりのニーズに応じたマーケティング実現に向け、同社の顧客管理システム「CRM PDCA推進システム」の構築を開始したと発表した。
タワーレコードでは、「タワーレコード・メンバーズ」というタワーレコード店舗およびオンライン共通の会員サービスを提供し、会員には、店舗とオンライン・ショップの両方でのポイント加算・利用や、会員限定クーポンの獲得、店舗商品を来店なしで予約できるなどの特典がある。
同社ではさらに顧客向けサービスを強化し、顧客一人ひとりのニーズを把握して顧客ごとに適切な手法でマーケティングを実践する「ワン・ツー・ワン・マーケティング」を実現するため、顧客管理システムを刷新する。
システムの構築は7月25日から開始し、要件定義と設計を終え、8月20日から顧客中心のキャンペーン活動を管理するソフトウェア「IBM Unica Campaign」の導入を開始した。新システムは9月下旬に稼働開始する予定。
新システムに採用されたIBM Unica Campaignは、データベースから対象となる顧客のデータを抽出し、一定期間内に対象顧客に提案やメッセージ(キャンペーンの実行)を伝え、その成果を検証するまでを一貫して管理、サポートできるキャンペーン管理ソフトウェア。設計、実施、分析、改善のサイクルにより、顧客中心型のコミュニケーションを実現する。
タワーレコードの新システム構築においては、パッケージ・ソフトであるIBM Unicaを活用し、顧客データベースや商品データベースを新規に構築することなく、既存システムを活用する。既存のデータベースから会員データや商品データなどの必要データのみを抽出して、Unicaに引き渡すため、データベース管理システム「IBM DB2」とx86サーバ「IBM System x3650」を活用し「中継システム」を構築する。このような手法をとることで、手組みやカスタマイズを要する際は通常半年以上かかる構築期間を、わずか2カ月に短縮する。
「IBM System x3650」 |