富士通研究所は8月20日、多種大量の時系列データ(ビッグデータ)処理を統合的に開発・実行する環境を開発したと発表した。同環境により、分析処理からイベント処理までの開発期間を約5分の1に短縮することが可能になるという。

同環境は、開発言語に依存せず簡単にプログラムの自動生成をする開発・実行環境の統合機能と複合イベント処理プログラムの処理効率を自動的に向上させる並列性抽出機能の2つから構成されている。これにより、高効率な並列アプリ設計を手間なく実現できる。

開発・実行環境の全体像

具体的には、蓄積されたPOSデータから直近の購買動向を分析し、特定の顧客層に絞ってリアルタイムにクーポンを発行する処理をプログラミングなしで簡単に行える。

開発・実行環境の統合機能は、処理種別の判定結果に対応した自動生成パターンを用いて、バッチ処理またはリアルタイム処理向けのプログラムを自動生成し、処理内容に応じてデータ型変換などの処理が補完される。

並列性抽出機能は、サーバ数の動的な追加・削除の際にも再コンパイルなしに動的負荷分散可能な実行可能プログラムを生成し、同社では、処理間でイベントの振り分け方が異なるサンプルプログラムで性能計測した結果、1つにまとめる基準で振り分けた場合、処理ごとの基準で振り分けた場合に比べて通信量が60%減となるとともに、処理効率が3.5倍に向上することを確認したとしている。

複合イベント処理の並列性抽出機能