ソニーは8月20日、スマートフォンやタブレットなど向けに独自の積層型構造を採用したCMOSイメージセンサ「Exmor RS IMX135/IMX134/ISX014」の3品種、ならびに各イメージセンサを採用したモジュール「IU135F3-Z/IU134F9-Z/IUS014F-Z」の3品種を発表した。
「Exmor RS」は、裏面照射型CMOSイメージセンサの支持基板の代わりに信号処理回路が形成されたチップを用い、その上に裏面照射型画素が形成された画素部分を重ね合わせた、独自の積層型構造を採用。さらに、従来のRGB画素にW(白)画素を加え、独自のデバイス技術と信号処理により画質を損ねることなく感度を上げたことで、暗い部屋や夜でもきれいに撮影できる「RGBWコーディング」機能と、撮影時に同一画面内で2種類の露出条件を設定し、そこで得た画像に適切な信号処理をすることで、ダイナミックレンジの広い画像を生成し、逆光でも色鮮やかに撮影できる「HDRムービー」機能を搭載した。
センサは、1/3.06型有効1313万画素の「IMX135」、1/4型有効808万画素の「IMX134」、カメラ信号処理機能を内蔵した1/4型有効808万画素の「ISX014」の3品種。積層型構造の採用により、これら高画質化・高機能化に加えて、小型化を両立している。
また、各イメージセンサに、オートフォーカス機構付レンズユニットを搭載したモジュールは、業界最小クラスの1.12μm単位画素に最適化した新設計のレンズを採用することで高解像度を実現。「IMX135」を搭載する「IU135F3-Z」は、F2.2の明るい高解像度レンズを採用した。「IMX134」を搭載する「IU134F9-Z」は、8.5mm×8.5mm×4.2mmの薄型・小型化を実現している。「ISX014」を搭載する「IUS014F-Z」は、イメージセンサにカメラ信号処理機能を搭載し、オートフォーカスおよび画質の調整機能を内蔵したオールインワンタイプとなっている。
ソニーでは今後、「Exmor RS」の開発を積極的に進め、表示画面の大型化によってモジュールの組み込みスペースが限られるスマートフォンなどに向け、「積層型構造」の特徴を生かした、高画質化・高機能化・小型化が図れるイメージングモジュールの商品化を目指していく方針。
なお、価格はセンサのIMX135が1500円、IMX134が1000円、ISX014が1200円。モジュールのIU135F3-Zが8000円、IU134F9-Zが5000円、IUS014F-Zが6000円。2012年10月より順次出荷を開始する。