「お客様を大切に」――これはどの企業にとっても鉄則だろう。うっかり言ったことが重大なトラブルにまで広がることもある。そこで今回は、Open Forumの記事「The 8 Things You Should Never Say to a Client(顧客に絶対言ってはならないこと8つ)」が、「お客様にこれだけは言ってはいけないこと, やってはいけないこと」を挙げているので紹介しよう。
(1)名前を間違える
自分の名前を間違えられるのは、洋の東西を問わずにイヤなものだ。日本ならば漢字の読み間違いも少なくないが、そもそも相手の名前を正確に覚えていないというケースはもっとよくない。取引先で複数人に同時に会い、交換した名刺をしまった後で名前がわからなくなった、ということはないだろうか。立場が上の人に向かってその人の部下の名前を読んでしまった――こんな名前にまつわる苦い失敗を聞いて、人ゴトと思えない人もいるだろう。
相手が大切な取引先や顧客なら、事前に予習をしておいて損はなさそうだ。難しい漢字なら、初対面時に読み方を聞くことは失礼ではない。その代わり、覚えにくい名前はもらった名刺にふりがなを打つなどの工夫をして間違えないようにしたいもの。
(2)企業名を間違える
これもありそうだ。間違っても、競合の企業名を言ってしまわないように。顧客の社名がアルファベットの場合、大文字・小文字、スペースのある・なしもチェックしておこう。
(3)数字は明確に
価格や納期の商談や交渉において、「○○~□□」といったように数字を曖昧に示すのはよくない。双方とも自分に都合の良い数字が記憶に残り、後でもめる原因になる可能性があるからだ。例えば価格の場合、「20万~30万円」と聞いて、売り手は30万円、買い手は20万円を期待するのは自然なことだ。それなら最初から「30万円」と言っておくほうが期待外れにならない。口頭であっても、見積りは明確に出そう。
(4)予想に基づいた発言は控える
取引先の女性に対し、外見から勝手に判断して「妊娠されたんですか?」などと聞くのはやめておいたほうがよい。そうではない可能性もあり得るし、非常にデリケートなテーマでもある。これでは、会話を通じて良好な関係を構築するどころか、正反対の結果を招く。特に、プライベートに関することは要注意だ。
(5)「このプロジェクトをぜひとも実現させなければ……」
この言葉は、たとえ実情を示していたとしても、言われた相手からすると事業が不安定な印象を持つ。「一生懸命やります」という印象を与えたいとしても、ネガティブな言葉は控えよう。その代わり、「必要なことはすべてお手伝いさせていただきたいと思っています」などと、ポジティブな言い方で一生懸命さを表現しよう。
(6)「御社の事業は何ですか?」
会話を通じて雰囲気を和ませようという狙いはわかるが、調べれば簡単にわかる基本的な質問はよくない。「自分たちを重要な顧客と見なしていない」と思われるし、準備不足と判断される。相手に関心を持ち、調べてきたということがわかったほうが印象はアップするものだ。
(7)「申し訳ありませんが……」
「が…」という言葉は「あきらめ」を示唆し、「やらない」「できない」を意味する。よって、「が」を使わないような言い回しを考えよう。「申し訳ありません」で区切り、「そこで、このような代案を考えました」というのはどうだろうか。