スマートフォンを使う理由はアプリという人も多いだろう。多くのユーザー調査で、「アプリの利用」がスマートフォンを購入する理由の上位に挙がっている。さまざまなアプリが次々と登場しているが、なかには端末に保存されている個人情報を転送しているものもあり、このところ話題になっている。

こうしたスマホアプリのリスクに対応すべく登場した新たなサービスが「Mobilescope」だ。MIT Technology Reviewの記事「How To Detect Apps Leaking Your Data(モバイルアプリによる個人情報漏洩を検出するには)」が、同サービスについて解説しているので、そのポイントを紹介しよう。

MobilescopeはAshkan Soltani氏とAldo Cortesi氏の2人の研究者が共同開発したサービスだ。アプリではなく、Webサイトを利用して、自分のスマートフォンに入れているアプリが個人情報を転送していないかをチェックできるという。

MobilescopeのWebサイト

具体的には、アプリによる個人情報の転送に関するログの取得、アプリ転送時のアラート設定などが可能。これにより、アプリが遠隔にあるサーバに携帯電話番号やアドレス帳などの情報を転送しているかどうかを確認できる。アラートでは、どの情報がアプリにより転送された場合にアラートを送るかなどを設定できる。iOS、Android、Blackberry、Windows Phoneなど、主要なプラットフォームに対応する。

Mobilescopeは4月にプライバシーにフォーカスしたプログラミングコンテストで、最高レベルの賞を受賞しており、先にパブリックベータとして提供を開始した。すでに数千人がサービスに登録しているとのことだ。

Soltani氏によると、開発にあたって転送を傍受するプロセスをシンプルにすることにフォーカスしたそうだ。「高機能を使いこなせるユーザーでなくても、Mobilescopeで転送に関するデータをチェックできる」とコメントしている。

こうしたツールにより、まだプライバシー関連のルールが明確ではないモバイルのエコシステムを一歩前進させたいとSoltani氏らは願っている。特にアプリ開発者に対しては、プライバシーを尊重するようプレッシャーを与えるきっかけになれば、と見ているようだ。

記事によると、多数のAndroidアプリが利用する広告システムで、GPS位置情報などの個人情報の収集が見られることをノースキャロライナ州立大学の准教授らが報告しているという。電話であるスマートフォンは、PC以上に機密性の高い個人情報を持つ。スマホユーザーなら、自分が使ってるサービスやプロバイダのプライバシーについて知っておきたいものだ。