富士通は8月17日、富士通研究所と使用済みのCDやDVDを同社グループのリサイクルセンターで回収し、再生プラスチックとしてノートPCの筐体に再生利用するリサイクルシステムを構築し、企業向けノートPC「LIFEBOOK P772/E」の本体前面の一部に適用を開始したと発表した。
再生プラスチックの適用個所 |
これまで、異種類のプラスチック同士は加熱溶融しても均一に混じり合わず、材料物性を確保するためには同じ種類のプラスチックを集める必要があり、さらに同一種のプラスチックでも組成の差異、外観の汚れ、異物混入により成形性や色調、強度特性などを従来製品と同品質にすることが困難だった。また、含有化学物質の安全性に関する法規制への対応も難しく、回収したプラスチックをPCの筐体に再生利用することができなかった。
こうしたなか、同社はPCの添付品として一定量が確保できるCDやDVDに着目し、難燃剤などの不純物の含有がなく、リサイクル材料として適していると判断した。再生プラスチックに不純物が含有・混入するリスクを回避するため、化学物質のリスク管理データベースに基づいて品質管理を行い、ICT機器の含有化学物質の法規制に対応している。
これにより、従来のノートPCの製造プロセスと比べ、新たに使用するプラスチックの使用量を年間約10トン以上、CO2排出量を約15%削減できると見込まれている。