IDC Japanは8月16日、国内IT市場産業分野別 企業規模別の2011年下半期の分析と2012年から2016年の市場規模予測について発表した。
同社は、2012年に入っても電力不足、円高、欧米経済の不振などの影響で国内経済が不透明な状況のなか、多くの企業で業績の回復が遅れているとして、経営体力が劣るSMB(中堅中小企業/999人以下)はIT支出抑制が継続し、2012年IT支出額は3兆5,687億円(前年比成長率:マイナス0.6%)とマイナス成長を予測。大企業(従業員1,000人以上)については、不透明な状況の国内経済に影響を受けるが、復興需要の本格化により業績が回復する企業の増加が見込まれるため、2012年IT支出額は6兆720億円(同:1.7%)とプラス成長を予測している。
企業規模で見ると、2012年の小規模企業(1から99人)のIT支出額は1兆1,491億円(前年比成長率:マイナス1.4%)、中小企業(100から499人)は1兆5,663億円(同:マイナス0.5%)、中堅企業(500から999人)は8,533億円(同:0.5%)、大企業(1,000人以上)は6兆720億円(同:1.7%)と予測している。
最近のトレンドとして、スマートフォン、メディアタブレットといったモバイル端末のビジネス利用の広がりが挙げられており、今後、あらゆるシーンでモバイル端末の導入が広がっていく一方、モバイル端末が取り扱う情報の種類や量も増加し、企業は導入拡大と情報処理の運用にジレンマを抱えることになると指摘している。
大企業と中堅中小企業ではモバイル端末の導入部署や利用目的などの活用の違いがあるとして、「ITベンダーは企業規模に応じたモバイルソリューションのメニューを整備することが重要となる」と分析している。