富士通は8月16日、東京大学物性研究所(物性研)より新スーパーコンピュータ(スパコン)システムを受注したことを発表した。

新システムは、スパコン「京」に適用した同社のスパコン技術を向上させ、高性能、高拡張性、高信頼性、かつ省電力性を向上させた「PRIMEHPC FX10」を4ラック、384ノードから構成され、理論演算性能90.8TFlopsを実現する。

また、HPCミドルウェアとして、ペタスケールシステムに対応した「Technical Computing Suite」、ログインノードなどとして、「PRIMERGY」12台をあわせて導入する予定のほか、ストレージシステムとして合計容量126.9TBの「ETERNUS」を導入、ファイルシステムは大容量、高性能、高信頼分散ファイルシステム「FEFS」によって構築される予定だという。

物性研は「京」の戦略プログラムの分野2「新物質・エネルギー創成」の代表機関として、分子科学研究所や東北大学金属材料研究所ならびに11の協力機関を中核とした計算物質科学イニシアチブ(CMSI)を組織し、計算物質科学を推進しており、今回、「京」の戦略プログラムなどで活用するアプリケーション開発にあたり、超並列コンピューティングの最新技術が導入されている「京」と親和性の高いPRIMEHPC FX10を導入することで、研究者はより実践的にプログラムの開発やチューニングができ、物性科学研究の飛躍的な成果および計算物質科学を担う人材育成が進められるようになると富士通では説明している。

なお、同システムは2013年春の稼働開始を予定している。

PRIMEHPC FX10の外観