GLOBALFOUNDRIES(GF)とARMは8月13日(米国および英国時間)、GFの20nm FinFETプロセス技術を用いたARMプロセッサ・ベースの最適化されたSoCソリューションを提供するための複数年の共同開発に関する契約を締結したと発表した。
同契約は従来の28nm/20nmプロセスにおける共同開発を拡張するもので、FinFETトランジスタへの円滑な移行を目的とするほか、モバイル機器の重要な構成要素として需要が急増しているGPUの搭載も含まれる。また同契約により、ARMはスタンダード・セル・ライブラリ、メモリ・コンパイラ、およびPOP IPソリューションを含むARM Artisan Physical IPの完全なプラットフォームの開発も行うこととなる。
このプラットフォームは、65nm、55nm、28nmを含む多くのGFプロセス・テクノロジー、および現在、ARMからライセンス可能な28nm SLP向けCortex-A9 POPテクノロジーと同様にArtisan physical IPプラットフォームをベースとして開発され、これによりGFは、次世代の高エネルギー効率を実現するARM CortexプロセッサとMali GPUテクノロジーの最適プロセス技術およびベンチマーク解析を行い、それぞれの技術を使ったカスタマ独自のSoCデザインの加速を促すこととなる。具体的には包括的なプラットフォームとして、GFの20nm-LPMとFinFETプロセス向けARM Artisan Physical IPとPOP IP製品の基本的なビルディングブロックが提供される。
POPテクノロジーを活用することで、ARMのCortex-Aシリーズの性能、消費電力、チップ面積などのさらなる最適化が可能となる。POP IP製品は、最適化されたARMコアの実現のために不可欠な3つの要素で構成されている。1つ目は、選択されたARMプロセッサとファウンドリ・テクノロジーに対して特別にチューニングされたArtisan Physical IP標準セル・ライブラリとメモリ・キャッシュを含むこと。2つ目は、一連の構成およびデザイン目標を実現するためにARMが達成した条件と結果を正確に文書化するための包括的なベンチマーキング・レポートが含まれること。そして3つ目は、フロア・プラン、スクリプト、デザイン・ユーティリティ、および結果を達成するために使用された設計手法などを詳細に記述したPOP実装ガイドを含む詳細な実装知識ベースが含まれることで、これらを利用することで、カスタマは低いリスクで迅速に同じ結果を達成することが可能になるとARMでは説明している。
一方、GFの20nm-LPMテクノロジーは、従来の28nmルールから性能面で最高40%の改善、ゲート密度で約2倍の高密度化が可能なプラットフォームで、今回の提携により、同プロセステクノロジーからFinFETベースへのプロセステクノロジーへの移行バスを確立することが可能になるとGFでは説明している。