米連邦取引委員会(FTC)は8月9日(現地時間)、米GoogleがSafariユーザーに無断でCookieを使用していた問題で、和解のために同社が2250万ドル (約17億6800万円)の罰金支払いに同意したことを発表した。Googleは2011年に、ソーシャル機能Buzzがユーザーのプライバシーを侵害した問題でFTCと和解した際に、消費者の個人情報を保護するためのプログラムの実施を含むFTC命令を受け入れていた。今回の罰金は、プライバシー問題に関するFTC命令への違反で過去最高額になる。
FTCによると、Googleは標準設定のままSafariを使用しているユーザーが広告用の追跡から自動的にオプトアウトされると述べていたにもかかわらず、2011年と2012年の数ヶ月間にDoubleClickの広告ネットワーク内のWebサイトを訪れたSafariユーザーのコンピュータに、SafariのCookieブロック設定を迂回して広告Cookieを埋め込んでいた。Googleは個人情報を収集したり、ユーザーのプライバシーを侵害するものではなかったと主張している。しかし、Googleが2011年に受け入れたFTC命令は個人情報の取り扱いに関して消費者の誤解をまねく言動を禁じており、FTCはGoogleの行為が「Misrepresented Privacy Assurances (不当なプライバシー保証)」に当たるとした。
FTCは近年、企業の個人情報の取り扱いに関して、消費者に保証したプライバシー保護を言葉通りに実行させる取り組みを進めている。FTCチェアマンのJon Leibowitz氏は「この問題に対する過去最高額の罰金は、FTCのプライバシー命令のもとにある全ての企業への明確なメッセージになった。規模の大小にかかわらず、全ての企業がFTC命令を順守し、消費者に対するプライバシー保証を守らなければならない。さもなければ、違反に対する手痛いコストを被ることになる」とコメントしている。