こんにちは、モニプラ運営事務局マーケティングチームの高橋です。
今回は、Facebookページの投稿に対するユーザー反応の傾向を探るため、2012年1月から6月の1,100投稿を元に、クチコミ度を検証してみました(7月15日現在、ファン数5,000人以上の11のFacebookページで、ファン数2,000名を超えてから投稿された記事を対象として抽出しています)。Facebookページで投稿を行う際のヒント、またインサイトデータの比較対象としてご参考下さい。
今回指標に利用するクチコミ度とは?
クチコミ度は、投稿を見た人のユニーク数(=リーチした人)に対する、ページの投稿に対する記事を作成した人(=話題にしている人)の割合を示す、Facebookインサイトの指標の一つです。話題にしている人を既存ファン数で比較するエンゲージメント率とは別に、ファンであるかないかにかかわらず、実際にウォール投稿を閲覧したユーザー(ユニーク数)のリアクションを検証する数値に当たり、投稿のクチコミ効果を計測するのに重要な指標となります。今回はクチコミを生み出す投稿の傾向を探るために、クチコミ度を中心に見ていきます。
平均クチコミ度は2.95%
今回データを収集した1,100投稿(抽出元11ページ)のクチコミ度の分布をまとめてみました。平均クチコミ度は2.95%。これは今回データ抽出している投稿の平均リーチがファン数に対して57%でしたので、エンゲージメント率に単純換算とすると約半分の1.5%前後となります。
クチコミ度3%未満の成果であった投稿が全体数の6割強であるのに比較して、リーチした10人に1人以上が話題にしているクチコミ度10%以上の投稿も存在しているようです。
クチコミを生み出すには写真が一番
まず投稿の種類を見てみます。投稿された記事の全体傾向を見ると、写真投稿が6割強。続いてリンク、近況、シェア、ビデオ、質問と続きます。やはりFacebookは写真と一緒に投稿されることが多いようですね。
今回のデータ抽出元となった投稿の平均クチコミ度2.95%を基に、3%を分岐点(約4割の投稿が3%以上を達成)として、どのような投稿形式が多くのいいね!、コメント、シェアを喚起できているのかを比較したしたのが右側の2本のグラフです。
クチコミ度3%未満の投稿と比較して、クチコミ度3%以上の投稿は、明らかに写真の青い比率が大きくなっています。ユーザーがいいね!、コメント、シェアを行っている投稿の8割以上が写真投稿であり、リンク、近況、シェア投稿に対する反応はあまり芳しくないようです。
また、質問形式の投稿は事例数が少ないものの(データ数7記事)、全投稿が平均値以上のクチコミ度となっており、ここぞというネタがあるときに活用すると効果が期待できそうです。
やっぱり「いいね!」
「話題」「クチコミ」といいますが、ではいったいユーザーは具体的にどのようなアクションを起こしているのでしょうか?
投稿形式別に、実際のユーザーのアクションをクチコミ種別の比率で分析してみました。
やはりユーザーが気軽に利用出来る「いいね!」が9割を超える結果となっています。 また、近況とシェアを比較すると、「近況」はコメント率が高く、「シェア」は再度シェアされやすい傾向にあることが確認できます。
ユーザーがシェアしたくなる投稿は長すぎず短すぎず
次に投稿の長さを検証してみます。今回対象となった1,100投稿の平均文字数は約440文字でした(半角1、全角2でカウント)。実際の投稿から平均値以上のクチコミ度であった記事の文字数の傾向を見ると、400~1,400文字(全角200~700文字)前後が妥当なようです。
Facebookのマーケター向けカンファレンス「fMC Tokyo」では、「投稿は100から200文字(半角文字の場合。日本語だと50字から100字となり、目安としては3行以内)だと、それ以上の投稿より60%以上のいいね!される確率が高まる」とのコメントがあり、投稿は短くなくてはいけないと思っていらっしゃる方も多いと思います。なぜこのような相違した結果となっているのかを検証するために、投稿形式別に見てみました。
確かに、近況投稿は短い形式の方がユーザー反応が良いようですが、それ以外の投稿形式に関しては短くコンパクトな方がいいという傾向は見受けられませんでした。特に、投稿頻度が高く、クチコミ度も高い写真投稿に至っては、文字数が400文字未満であるとユーザー反応が低いというデータも出ています。この結果から考えると、実は短い投稿が一概に良いとは言い切れません。
端的・シンプル・明示的な表現形式を好む英語圏と、ハイコンテクストであいまいな表現を好む日本では、文化・言語の影響により、ユーザーに分かりやすい情報量に違いがある可能性があります。
投稿するなら21~22時台がベスト
今度は投稿した曜日と時間を基軸に、各投稿のクチコミ度を検証してみました。 まず投稿を行う曜日から見てみます。
平日の投稿は曜日によって、大きく結果が分かれることはないようです。しかし、平日と休日を比較してみると、休日はクチコミ度が3%以上に達成する可能性が、1.5倍前後高い結果となりました。
次に時間帯別を見てみます。
検証対象の1,100記事を投稿された時間帯ごとにグラフで示しました。平日、休日に限らず深夜・早朝の投稿はごくわずかで、基本的には9時から20時(休日は9時から19時)の間に大半の投稿が行われています。
※全体数をそれぞれ平日は5、休日は2で割り一週間の内の日数を補正してあります。
以下は投稿時間ごとのクチコミ度です。
平日に一番ユーザーの反応が良かったのは21時~22時。反対に日中のクチコミ度はあまり高くなく、深夜~9時前の投稿に関しては、極めて低くなっています。一方、休日は深夜~早朝を除き、一日を通してクチコミ度が平均値を上回っているようです。
つづいて投稿時間別に、投稿に興味を持ち、投稿記事枠内をクリックを行ったユニークユーザー比率(クリック率)と、クチコミ度の平均値を比較してみます。
クリック率とクチコミ度が相関しない理由はいくつか仮説が立てられます。
1)ユーザーはいいね!、コメント、シェアを行うと、Facebookを利用していることが公になってしまうため、オフィスアワーなどは閲覧だけにとどめ、クチコミは自粛している。
2)ユーザーが一回のFacebook利用に対して、いいね!、コメント、シェアを行う記事数に平均値(もしくは上限)があり、比較的ライバルとなる投稿記事が少ないタイミングで投稿を行うとユーザーからの反応を獲得しやすい。
この仮説検証にはユーザー側のFacebook利用傾向と合わせた検証が必要ですが、Facebookページ運用者としては、何としてでもファンからの閲覧だけでなく、クチコミ反応がほしいところ。仮に仮説1が正しかったとして、午前中の投稿が閲覧のみで、午後にクチコミが発生するタイミングには投稿が古すぎフィードに上がっていないとなったらせっかくの投稿がもったいないですし、また、仮説2が正しいとすると、やはり投稿時間を変更してライバルの少ないタイミングで投稿すべきです。
以上、クチコミ喚起率を閲覧ユーザーからの反応率(クチコミ度)として検証してみました。皆さん今回の分析結果はいかがでしたでしょうか? このような観点で、それぞれ自身の運用ページごとに、ファンのクチコミを行うタイミングや形式等の傾向を分析してみてはいかがでしょうか?ページインサイトの分析と戦略作成に少しでもご参考になりましたら幸いです。
▼今回検証の対象となったデータ抽出元サマリー▼
データ抽出日:2012年7月16日
データ抽出対象:2012年7月15日時点でファン数5,000人以上の11ページで、 ファン数2000名を超えたタイミングに投稿が行われた1,100記事
ページ開設時期:2010年後期1ページ、2011年前期2ページ、2011年後期5ページ、 2012年前期3ページ
ページ運用元業界種別:金融、飲食品、家電、スポーツ用品、メディア、 化粧品、不動産、流通等
ページファン数: 平均13,514人[2012年7月15日時点]
ファンの友人数(ユニーク): 平均1,479,073[2012年7月15日時点]
平均投稿頻度:平均6.92投稿/週(最多15.43投稿/週、最少2.46投稿/週)
投稿種別内訳:写真706記事、リンク271記事、近況68記事、シェア24記事、 動画24記事、質問7記事
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