アドビ システムズは、東日本大震災の被災地を支援するため、福島県いわき市の2か所の保育園に園児の通園用バスをそれぞれ1台、合計2台を寄贈した。
同社は、社会貢献のテーマを「若者の教育、環境保全、技術革新」としている。中でも、日本では若者の教育支援に注力しており、被災地である福島県いわき市の保育園児たちの通園および県外でのレクリエーションのための交通手段としてバスが寄贈された。
日本保育協会茨城県支部の協力を得て寄贈先の選定にあたり、社会福祉法人春日会 はと保育園、ならびに、社会福祉法人高月会 たかつき保育園の2カ所が選ばれた。
米Adobe Systemsの最高責任者・シャンタヌ ナラヤン氏は、このたびの支援についてコメントすると共に、100万人を超える子ども達を支援してきた「Adobe YOUTH VOICES」など、同社が取り組んでいる社会貢献活動について紹介した。
続いて、アドビ システムズ代表取締役社長クレイグ ティーゲル氏が今回の支援について、「アドビ システムズならびに社員は、金銭・物資の寄付、Adobe Photoshopを利用したボランティア活動を通じて東日本大震災の被災地の方々の支援を行っています。そんな折、被災地には災害や放射能の影響で屋外で遊ぶことができない子供たちがいること、安全な場所で楽しい時間を過ごすための交通手段を必要としていることを知りました。今回寄贈するバスが子供たちを元気にするために活躍してくれることを期待しています」と述べた。
はと保育園の坂本佳友園長は、この支援を受けて、「当園ではいわき市に住む約200名の園児をお預かりしています。園児を安全に送迎するにはバスは不可欠です。今回ピンク色のかわいいデザインのバスをいただき、園児たち、園児のご両親、園の職員も大変喜んでいます。園児たちの送迎だけでなく、当園では、『わんぱくキッズ児童クラブ』を併設し、放課後、小学生をお預かりしているので、小学校へのお迎えや園外保育などの場でも活用していく予定です」とコメントした。
はと保育園の坂本園長とたかつき保育園の飯野光世園長から、寄贈に対する感謝の意をこめた花束が贈呈された(左)、同社代表取締役社長クレイグ ティーゲル氏によれば、バスにプリントされた花のモチーフはクリエイティビティを表現しているという(右) |
また、たかつき保育園の飯野光世園長は、園児の屋外活動が今も1日30分程度に制限されていることに言及した上で、「福島県の保育園は、砂場の除染やガイガーカウンターの設置など放射能の影響から園児たちを守るため数々の施策を実行しています。子供の成長には太陽を浴び、自然の中で体を動かすことが最も重要です。アドビ システムズからバスを寄贈いただいたことで、園児を放射能の心配のないところで遊ばせることができます」と述べた。
なお、米Adobe Systemsならびに全世界のアドビ システムズの社員は、2011年3月の東日本大震災の被災者支援を目的として、赤十字を通じて寄付を行った。さらに日本法人のアドビ システムズは、物資を提供するほか、社員がボランティア活動を行っている。
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