村田製作所は8月7日、スマートフォンや携帯電話をはじめとする小型モバイル機器向けに0603サイズで世界最高クラスのインダクタンス値270nHを実現したチップインダクタ「LQP03TN_02」シリーズを発表した。
スマートフォンをはじめとする小型モバイル機器のマルチバンド化、多機能化、高機能化に伴い、搭載される部品の数は増加している。一方で、各種モバイル機器のより一層の小型化に伴い、チップインダクタに対しても小型化、薄型化の要求は高まっており、部品の小型化を進めながらも、大きなインダクタンス値を実現することが求められていた。
そこで、独自の最新微細加工技術と内部構造の見直しを行い、内部に最適なコイルを形成することで、世界トップクラスのQ値を確保しながら、0603サイズでは世界最高クラスのインダクタンス値を実現した。同社の0603サイズの高周波チップインダクタのインダクタンス値はこれまで0.6nH~120nHだったが、これを150nH~270nHに拡大することで、回路設計の自由度向上に寄与できるとしている。また、インダクタンス偏差は±5%であり、今後さらなる狭偏差化を進め、同時にインダクタンス値の拡大も進めていく方針とコメントしている。
なお、サンプル価格は4円。8月より福井村田製作所にて量産を開始する。