SAPジャパンは8月6日、従業員労働衛生/安全管理、環境コンプライアンスなどで企業を支援するアプリケーション「SAP Environment, Health,Safety Management」の最新版を提供すると発表した。
「SAP EHS Management」のアーキテクチャ |
同製品は、事故後の報告管理としての「インシデントマネジメント」、事前にリスクの予防策を講じる「オペレーショナル・リスク・マネジメント」、変更することで発生しうるリスクを防ぐための「変更管理」という3つのコンセプトから成り立っている。
資産・人的資本管理ソフトウェアである「SAP Business Suite」との連携により、分散したビジネスプロセスを横断する形で、全体的なリスクをより簡単に監視できる。
最新版では、インシデントマネジメントをモバイルで可能にするための機能「SAP EHS Safety Issue」が追加され、従業員は音声・動画・写真を通じ、モバイル機器から問題を記録し、安全担当マネージャに直接送信して是正措置を求めることができる。
オペレーショナル・リスクマネジメントの強化策としては、新たな報告機能と国際的な基準に基づくダッシュボード機能が採用されており、リスクの優先順位を種類・重要性に基づいて素早く判断する。業務プロセスをステップごとに分割し、その中にある潜在的なリスク要因の種別を特定し、リスク評価手法を用いて「ハザード」の「発生頻度」や「重篤度」を適切に評価し、その対策を講じるためのプロセスを開始し、ステータスを管理することができる。
これにより、対策管理を完全に実行し、効率化の支援をするとともに、事業の継続性を高めることが実現される。
こうしたリスク軽減策を導入するにあたり、変更管理にも対応する必要があるため、同社は「SAP Management of Change」の開発を進めている。これは、新たな原料、設備、業務手順の導入などの運用上の変更に対し、関連する業務手順やドキュメントなどを遺漏なく変更することを支援するもの。