パナソニック デバイス社は8月3日、産業用機器のモータ制御、通信機器(基地局)などの硫化環境下の電流検出用途に最適な、抵抗値10mΩと定格電力2.0Wを実現した5025サイズ耐硫化チップ抵抗器(長辺電極)を発表した。
産業用機器のモータ制御、通信機器(基地局)などの硫化環境下で使用される抵抗器では、電流検出用などさらなる低抵抗領域で使用できる製品が要求されている。通常、チップ抵抗器の上面電極には、抵抗値を低くするために銀や銅が使用されており、その電極表面にはNiめっきやSnめっきが施されてはいるものの、硫化ガス雰囲気中で使用すると、電極の硫化により抵抗値が変動し、断線を引き起こすケースがある。今回、硫化反応に強く低抵抗値を実現するために、独自の長辺電極構造および新規の電極材料を採用することで、業界最小クラスの抵抗値10mΩを実現した。なお、抵抗値範囲は10mΩ~1Ωとなっている。
また、各種機器の小型化や電流検出回路の大電流化などに伴い、使用される抵抗器には、小形化、高電力化の要望が高まっている。これらの要望に応えるため、同製品では発生した熱をより効率よく拡散できる独自の長辺電極構造と抵抗体素子構造、電極材料の最適化により、業界最高クラスとなる定格電力2.0Wを実現した。これにより、抵抗器の使用個数低減と各種機器の小型化に寄与するという。カテゴリ温度範囲は-55~+155℃。
なお、サンプル価格は20円。8月中にはサンプル出荷を開始し、11月より月産200万個体制で量産を開始する計画としている。