NASAの宇宙探査機「カッシーニ」が、土星付近の雲の中で光る雷の画像をとらえた。土星上に発生した2011年最大の嵐の画像に青い光が写り込んでいて、これが落雷の閃光と見られている。
土星には太陽に照らされている「昼側」と光の当たらない「夜側」があるが、この光は今回初めて、土星の昼側で可視光での雷の画像として撮影されたものである。カッシーニがこの撮影に成功したということは、落雷が非常に強いものであったことを示している。
科学者らは、画像の青色を強調して雷の大きさと位置を測定しており、また、なぜカッシーニのカメラがこの雷を青色で撮影したのか分析している。この閃光の強さは、地球上で最も強い閃光の強さと同等であることが分かっており、30億ワットで1秒間継続したと計算されている。この閃光は、雲の頂上では直径200キロメートルで存在している。
以上のことから、この稲妻は土星の大気の深い場所(水分が凍る場所)で発生すると推定されるが、これは地球上の稲妻の発生の仕方と類似している。カッシーニは、太陽系の惑星における天候の変化について観測する貴重な機会を与えてくれていたと言えるだろう。