レッドハットは7月25日、スケールアウト型オープンソースストレージソフト「Red Hat Storage Server 2.0」の国内提供を開始した。参考価格は、2台のRed Hat Storage Serverで構成した場合の130万円(税別)から。ライセンス体系は、オンプレミス、パブリッククラウド、ハイブリッドの3つに分かれている。
「Red Hat Storage Server 2.0」は、米Gluster社が開発したオープンソースのGlusterFSがベースとなっている。Gluster社は、昨年10月米Red Hatが買収し、新たに「Red Hat Storage Server」として販売を開始した。Red Hat Storage Server 1.0は、北米限定で販売されたため、国内販売は2.0が初となる。
Red Hat Storage Serverは、最近、データ量が爆発的に増えつつある文書、画像、音声、動画などの非構造データを格納するストレージ向けの管理ソフトで、オブジェクトストレージとファイルストレージが統合されたソリューション。分散型のスケールアウト型ストレージシステムを構築でき、CIFS(Common Internet File System)、NFS(Network File System)、HTTP、OpenStack Swiftなどのファイルアクセスプロトコルをサポートする。専用のストレージサーバを用いることなく、x86サーバ(2ソケットを推奨)でストレージを管理できるのが特徴だ。
レッドハット 執行役員 クラウド・仮想化・ストレージ事業本部長 西村哲也氏は、「Red Hat Storage Server」の特徴について、「オープンでハイブリッドなクラウド環境を支える戦略的製品だ。シングルネームでオンプレミス、パブリッククラウドとのハイブリッドストレージ環境を実現でき、x86サーバで動作するため、多くのメーカーのサーバ上で動作させることができる。そして、サーバを追加することで、リニアにスケールアウト型のストレージが管理でき、コストは専用ストレージと比較して1/3だ。また、オープンソースソフトウェアソリューションのため、ベンダーロックインから開放されることが最大の特徴だ」と述べた。
同社では当面、同社の既存顧客のほか、キャリア、データセンター事業者などを中心に販売していくという。また、今後はパートナーと連携し、アプライアンス製品を提供する予定もあるという。
レッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏は、「ストレージ市場は全世界で2兆円規模になるITの中でも最大規模の市場で、我々は本日からその市場に参入できる。感慨無量だ。国内は1,500億円程度の規模で、その半分の700~800億円がNASだ。これはOSとほぼ同じ規模だ。これまでは『オープンソースでクラウドを』と言ってきたが、これからはそれに加えて『オープンソースでストレージを』と言っていく」述べ、売り上げ目標については、3年後に国内NASの10%のシェア(70-80億円程度)を獲得したいとした。