MMD研究所は7月23日、夏休みの旅行シーズンを前に需要が高まりつつある英・中・韓国語の翻訳アプリの比較調査の結果を発表した。今回、「多言語・自動音声読み上げ・無料」の3つの条件を満たすアプリを対象とし、Google 翻訳、ドコモ通訳電話、VoiceTra、Vocre、旅行翻訳機の5つで比較が行われた。

各アプリのスペック 資料:MMD研究所

今回の調査が行われた背景には、同社が行った「海外旅行に関する実態調査」で、海外旅行であったら便利だと思うアプリを問う質問で、「地図アプリ(84.8%)、翻訳アプリ(71.4%)、無料通話アプリ(56.2%)」という回答が得られたほか、「海外旅行の時に困った事」を問う質問では「言葉が通じなくて困った」と回答した人が53.2%と半数以上に上り、海外旅行で言語面での不安を感じている生活者が多いことがわかったことがある。

翻訳アプリの精度は、同社が独自に作成した3つのシーン別(海外旅行・ビジネス・緊急時)10個の文章を「日本語から外国語への変換」と「外国語から日本語の変換」について採点することで比較した。

調査の結果、全スコアの平均で総合トップは「ドコモ通訳電話」となった。その理由として、日本語の音声認識の質が高く、音声の読み取りについて認識できない文章が他アプリに比べ少ないほか、出力される音声の評価の高さが挙げられている。

英語でトップ(日本語から英語への変換:第2位、英語から日本語への変換:第1位)となった「VoiceTra」は一部の文章で非常に流暢な英語を出して評価が高い反面、韓国語では、音声の聞き取りやすさが他アプリと比べると大きく評価が下がり、言語ごとに幅のある結果となったとしている。

翻訳アプリの言語別・総合結果