東京・上野公園にある国立科学博物館は7月20日、2012年7月21日から10月8日にかけて同館にて開催する特別展「元素のふしぎ」のプレス内覧会を実施、展示物などの公開を行った。

特別展「元素のふしぎ」は国立科学博物館にて7月21日より開催される

レアアースやレアメタルといった話題などで知られる元素だが、言葉や文字で知っていても実際に物体として見る機会が少ないという問題に対し、「博物館として実物をできる限り鉱物や標本を展示して、身近に感じてもらうことを目的に企画された」というもので、テーマによって金属や宝石などが展示されるほか、実際に科学実験などを体験することも可能な展示会となっている。

展示会の構成であるプロローグと6つの展示ゾーンなどの概要に関しては、先に開催された説明会でも紹介しているのでそちらを参照してもらいたい

原子番号1~118まで記載された元素周期表。114番のフレロビウムと116番のリバモリウムもしっかり記載されている

実際の展示物としては、原子番号1番のH(水素)から118番のUuo(ウンウンオクチウム)まで、2012年5月末に正式に名前が決まった114番のFl(フレロビウム)と116番のLv(リバモリウム)も含めたパネル展示ならびに、実際にその元素が用いられている身近にあるさまざまなものや鉱物などを見ることができる。

宇宙も太陽も地球もこの世界のすべては元素で構成されている。小惑星探査機「はやぶさ」がサンプルを持ち帰った小惑星「イトカワ」の模型も宇宙関連として展示されているほか、意外と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が関わっているものが展示されているので、宇宙関連に興味がある人にも良いかもしれない

また、半導体デバイスの元となる純度99.9999999%のシリコン(Si)インゴットやダイヤモンド、サファイアといった宝石の実物も見ることができる。さらに、体感型として、さまざまな元素がどういった食べ物に入っているのかを知ることができる「元素冷蔵庫」や、自分の体のそれぞれの元素の重さを量ることができる「元素体重計」、金(Au)/銀(Ag)/銅(Cu)/アルミニウム(Al)それぞれのインゴットを実際に持ち上げ重さを感じることができたり、鉄(Fe)やチタン(Ti)、亜鉛(Zn)などの金属棒を叩いてそれぞれの音色を聴き比べられる「比べてみよういろいろな元素」、元素を調合して作られるさまざまな合金に触れられる「合金と元素」などの展示物が用意されている。

約90年前に作られた周期表も展示されている

「宝石の元素」ブース。古今東西さまざまな宝石が展示されている。この後ろには「人工宝石の元素」ブースもある

自分を構成するどの元素がどのくらい含まれているのかを知ることができる「元素体重計」

扉に記載された元素を多く含む食材が保存されている「元素冷蔵庫」。何が入っているかは開けてみるまで分からない

ネオジムなどのレアアームを用いて作られた超強力磁石の強さを体験することが可能。ちなみに、強い磁場が発生しているためペースメーカーなどを使用している人は近づかないようにとの注意書きが張り出されているほか、携帯電話や時計を胸ポケットや腕にしたまま近づくと、データが飛ぶ危険性があるので、床にそれらを置くかごも用意されていた

なお、同展の開館時間は午前9時~午後5時(金曜日は午後8時まで。8月11日~19日は午後6時まで、8月17日は午後8時まで。入館は各閉館時間の30分前まで)、休刊日は毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日。7月23日/30日、8月6日/13日/20日/27日、10月1日は開館)となっている。