EMCジャパンは7月19日、サービス・プロバイダ・パートナーによるパブリッククラウドおよびプライベートクラウドの開発・導入・市場展開・販売・提供を可能にする「EMC Velocityサービス・プロバイダ・パートナー・プログラム」を発表した。
代表取締役社長の山野修氏は、同社のクラウド・ビジネスの取り組みの柱の1つに「クラウド・サービス事業者との協業」を据えているとして、サービス・プロバイダー戦略について、「われわれは、当社のインフラ製品を基盤にクラウドサービスを提供するサービス・プロバイダー・パートナーの成功を支援していくが、その中で重要なのがエコシステムを拡大していくこと。当者の製品を販売するだけでなく、セールスやマーケティングなどさまざまな面でパートナーのビジネスもサポートする」と説明した。
同社はこれまで、販売に協力するパートナーとして、「ソリューション・プロバイダ・パートナー」を認定していたが、今回、新たに「サービス・プロバイダ・パートナー」を設けた。山野氏によると、海外では2年前から「サービス・プロバイダ・パートナー」を展開しており、約50社が参加しているという。
具体的には、EMCが「サービス・プロバイダ・パートナー」に対しマーケティング販売支援・ビジネス支援・トレーニングなどを提供し、「サービス・プロバイダ・パートナー」はこれらを用いて「EMC Powered Service」というブランドの下でEMCインフラ製品によるクラウドサービスのカタログを提供する。
今回、「サービス・プロバイダ・パートナー」第一号として契約を締結したインターネットイニシアティブから、執行役員 マーケティング本部長の松本光吉氏が説明会に参加した。同氏は、同社のクラウドサービス「IIJ GIOクラウドサービス」のストレージとして、EMC製品を選んだ理由として、「ミッションクリティカルな環境において信頼と実績があること」「VMwareとの親和性が高いこと」「サービスの品質とコスト効率を両立する技術力」を挙げた。
同氏は、「x86サーバは標準化が進んでおり、どのメーカーの製品を使ってもそれほど違いはない。これに対し、クラウドサービスにおいて、複数のユーザーで共有するストレージは厳密な管理が必要であり、仮想化技術を使いこなす必要がある」と、クラウドサービスにおけるストレージの重要性を強調した。
同氏は、調査機関による調査結果を例に出し、仮想化基盤の80%以上のシェアを有するVMware環境のストレージのシェアにおいて、EMCが53%を占めていることを示した。実際、EMCのストレージは「VMware vSphere」と70以上の連携ポイントを持つという。
また、EMCとの協業によって推進することとして、「大企業向けISVソリューションの提供を加速」と「IIJ GIO VWシリーズによるBCP/DRの提供」が紹介された。