STMicroelectronicsは、カスタムモーション検知機能を特徴とした、小型6軸マルチセンサモジュール「LSM330」を発表した。

同製品は、デジタル出力の3軸ジャイロセンサおよび3軸加速度センサに加え、カスタムモーション検知を可能にするプログラマブルブロックである2つのステートマシンをモジュール内に実装している。プログラム可能なステートマシンにより、近くの対象物の方向に携帯機器を動かすことによって、その対象物に関する拡張現実の表示をオンにするなど、特定のモーションやジェスチャを識別して対応する動作やアプリケーションを開始することができる。MEMSセンサに統合された処理能力は、バッテリー消費量の大きい携帯機器において消費電力の低減に役立つとともに、モーション対応のコンスーマ機器の設計に自由度や柔軟性を提供するという。

また、ピッチ/ロール/ヨー軸において、最大16gの加速度と、最大2000dpsの角速度を検出する。高分解能の加速度・角速度検知を単一デバイスに集積したことによってシステムの堅牢性が向上し、先進的なモジュール設計が、熱や機械的負荷に対する卓越した安定性を保証する。

用途として、ウェアラブルセンサ、屋内外ナビゲーション用のモーション検知とマップ・マッチング、拡張現実、その他の位置情報に基づくサービスなど、スマートフォンやタブレットにおけるモーションベースのユーザインタフェースを含む広範なアプリケーションを想定している。

また、バッテリ駆動の携帯型機器における消費電力の制約に対処するため、パワーダウン/スリープモードを搭載するとともに、FIFO(First-In First-Out)メモリ・ブロックを内蔵しており、きめ細かな電源管理が可能。動作電源電圧は2.4~3.6V。

この他、最新の3軸加速度センサ「LIS3DSH」およびジャイロセンサ「L3GD20」と完全なソフトウェア互換性があるため、これまで単体で使っていたユーザーも、新しいマルチセンサモジュールを使用した設計にアップデートすることができる。さらに、基板サイズの縮小や外付け部品数の低減、全体的なアプリケーションシステムの簡略化が実現する。

なお、パッケージは3x3.5x1mmの超小型LGA。2012年第4四半期にサンプル出荷を開始する予定。価格は1000個購入時で約4.15ドル。

小型6軸マルチセンサモジュール「LSM330」