電通パブリックリレーションズの社内横断組織であるソーシャルメディア実験室「アンテナ」は7月18日、「まとめサイト」の利用実態に関する調査結果を公開した。
まとめサイトとは、話題のニュースなどの情報を収集・編集して掲載するWebサイトのことで、代表的なものに「NAVERまとめ」「2ちゃんねるまとめ(ブログ)」「まとめwiki」などがある。ソーシャルメディアをテーマに活動する「アンテナ」は、まとめサイトはソーシャルメディアを日常的に利用する現代人にとって重要なツールであると考え、利用実態を明らかにする目的で調査を実施したという。
同調査では、15歳以上の男女合計1万人を対象にまとめサイトの利用経験の有無を尋ね、利用経験が「ある」と回答した人の中から1200人に対して利用実態に関するアンケートを行っている。
発表内容によると、まとめサイトの利用経験があると回答した人は全体の36.5%。男女で比較してみると男性は43.2%、女性は31.4%が「経験あり」と答えており、男性のほうが経験率が高い結果となった。
また、まとめサイトの利用経験者の76.2%は1週間に1回以上まとめサイトを利用しており、1日に何度も利用するヘビーユーザー層も18.5%いることがわかっている。性・年代別に見ると、男性の10代・20代と女性の20代はヘビーユーザー率が3割以上と他の年代に比べて高い。最も利用頻度が高いのは男性の20代で、9割の人が1週間に1回以上利用していると回答している。男性の50代・60代以上も、7割以上の人は1週間に1回以上まとめサイトを利用しており、約1割はヘビーユーザーだったという。
「まとめサイトで見た情報を、あとからテレビ番組が取り上げているのを見たことがあるか」という質問に対しては、14.6%が「何度も見たことがある」、30.8%が「見たことがある」と答えている。
まとめサイトを利用する理由については、「暇つぶし」という回答が最多で、次いで「情報がまとまっていて見やすいから」、「マスメディアより幅広い、様々な情報を入手できるから」という理由が多い。ただし年代別で回答に差が見られ、10代・20代の回答は、1位が「暇つぶし」、2位が「楽しいから」で、まとめサイトが娯楽のひとつとして定着していることがうかがえる。一方、50代・60代以上の回答は、1位が「情報がまとまっていて見やすいから」、2位が「マスメディアより幅広い、様々な情報を入手できるから」となっており、まとめサイトを情報源として利用していることがわかる。
また、まとめサイトの利用シーンとしては、若年層はシニア層に比べて、登校や出勤の途中などの「移動中」や、「食事中」「トイレの中」での利用が多いという結果が出ている。
同社は今回の調査で、「まとめサイトが新しい情報流通構造として現代人の生活に入り込み、ひとつの情報源として定着しつつあることが明らかになった」とし、「まとめサイトは、インターネットユーザーだけでなくマスメディアにも影響を与える、新しい情報流通構造を創出した」と見ている。また、「現代人、特に若年層は、移動中や食事中など、ちょっとした生活のスキマ時間さえも『暇』と捉えている」と推察しており、まとめサイトの「膨大な情報量を暇つぶしにちょうどいいサイズにまとめてある」点が、現代人のニーズにフィットした要因ではないかと分析している。
なお、同社のWebサイトでで調査の詳細レポート(PDF)が公開されている。