失業率が高い現在でも、特定の職種に限っては人材が求められており、企業の多くは「いい人がいない」と思っているのだという。募集する側と応募する側にミスマッチが生じているようだ。厳しい経済状況を考えると、応募する側の能力やスキル不足に問題があると思いがちだが、時間をかけて育てるよりも即戦力を求める企業側にも問題があるという。

小規模企業の事情に明るいGrowBiz Mediaの創業者兼CEO、Rieva Lesonsky氏がOpenForumに寄稿したコラム「7 Ways to Build a Strong Team–Without Hiring New Employees(新しく人を雇わずして強いチームをつくる7つの方法)」によると、「仕事に合う人」を探すのではなく、「その人のスキル、興味や関心、素質に仕事を合わせる」ほうがはるかに効率的だという。以下、Lesonsky氏が説く具体的なポイントを紹介しよう。

雇用時は素質と態度の両方をチェック

雇用する時あるいは空いたポストに誰かを任命する時、その業務ができるできないの素質に加え、その人の姿勢や態度も考慮しよう。

例えば、セールス担当者に2人の候補がいたとする。1人は営業分野での経験が豊富で社内のPOSシステムにも精通しているが、少し冷淡なところがある。もう1人は経験では劣るが、親しみやすい。

親しみやすい人に新しいことを教えることは、冷淡な人がチームや顧客とうまくやっていくことより、おそらく簡単だろう。チームで仕事を遂行していくうえで、スキルに加えて、その人の性質も重要なのだ。

辛抱、辛抱、そして辛抱

Lesonsky氏は、企業が即戦力を求めることに警笛を鳴らしている。新しいことを学ぶのに時間がかかる、これは当たり前のことなのに、すぐに成果を求めていないだろうか?

新たに入社した従業員にはトレーニング期間を設け、役割を果たせるように育てたいものだ。よい意見、悪い意見を含めフィードバックを定期的に返し、学習曲線を短縮させよう。同じチームの社員からのインプットを得て、役割とその人の能力が合っているかどうかもチェックしたい。

対話

年に1度なり、月に1度なり、決められた個人面談だけでなく、頻繁に部下やメンバーとコミュニケーションをとろう。担当している業務で好きなこと、嫌いなことは何か? 現在の業務以外に興味を持っていることはあるのか? 次年度も続けたいと思っているか?

率直に対話を続けていけば、その人の適性に応じて仕事を調整できるはずだ。

適材適所

上記の作業を重ねて、社員の興味、目標、態度や志向がわかってくれば、社内での人材の割り振りが各人にフィットするものになるはずだ。そうすれば、新規にスペシャリストを起用することなく、すでに社内にいるスタッフを育てるという解決策もとれる。