災害時の事業継続(ディザスタリカバリー)や、クラウドサービス利用時の"もしも"の備えとして、今注目を集めているバックアップソリューション。しかし、対象となるのは基幹系システムがほとんどで、社内のコミュニケーションツールやファイルサーバーに関しては、多少の不安を抱えながらもテープバックアップなどで済ませているという企業がほとんどではないだろうか。

そんな皆さんにぜひとも知ってもらいたい製品が、ノベルが提供するディザスタリカバリーアプライアンス「PlateSpin Forge」である。同製品は、人手を割くのが難しい周辺システムでも容易に導入できる仕組みが随所に組み込まれている。また、物理サーバーのみならず、仮想サーバーのバックアップにも対応しているほか、一時復旧(仮本番復旧)、リカバリー、およびそのテストまでを簡単なクリック操作で実行できるといった特徴がある。

本稿では、同製品の適用シーンをわかりやすくお伝えするために、少し趣向を凝らし、バックアップソリューションの導入支援を行う企業の視点からPlateSpin Forgeの特徴を紹介していこう。

待機系システムとしても稼働! 行き届いた機能が多数

ノベル 営業本部 パートナーエグゼクティブ 矢部健人氏

「PlateSpin Forgeは、仮想化技術を使って事業継続を実現する製品です。単なるバックアップ製品ではない点が大きな特徴。保護対象のサーバーがダウンしたときには、バックアップした最新のイメージを使って自らの筐体内で仮想マシンを立ち上げ、必要な処理を代わりに実行できます」

ノベルでPlateSpin Forgeを担当する、営業本部 パートナーエグゼクティブの矢部健人氏は同製品の概要をこのように語った。

矢部氏のコメントにもあるように、PlateSpin Forgeがバックアップをとるのは、データやファイルではなくシステム全体のイメージファイルになる。物理/仮想を問わず、サーバーのイメージをそのまま保存するソリューションだ。

特徴的なのは、ハードウェアやハイパーバイザの種類を問わずにリカバリーできる点。例えば、VMware vSphere上で動作していた仮想マシンをHyper-Vの上に戻すこともできるし、IBM System xで動作していたイメージをHP ProLiantに復元することもできる。仮想マシンを物理マシンにリストアしたり、物理マシンを仮想マシンにリストアしたりといったとも可能だ。PlateSpin Forgeのデータベースには2万超のドライバ情報が格納されており、リストア時に必要な情報をディスクイメージに変更を加えて戻すという方法を採用しているために、上記のような処理が可能になっている。

また、リカバリーの際にはコマンドラインの操作が一切不要。すべての処理をGUIから行えるため、システム管理者以外の方でも容易に利用できる。

「PlateSpin Forge1台で最大25台のサーバーをサポートできるにもかかわらず、各サーバーにはエージェント入れることなく動作するというのも特筆に値する部分でしょう。ネットワークにつないで設定を行うだけで、常時サーバーの稼働を確認するようになります。また、バックアップ処理ではイメージを差分圧縮転送する仕組みで、巨大なイメージデータを毎回まるごと吸い上げるわけではありません。」(矢部氏)

そのほか、一時復旧(仮本番復旧)のテストをクリック操作で実行できるという点も、PlateSpin Forgeがユーザーから好評を得ている理由の1つだという。テープバックアップのような旧来の方法では、テストをしようにも膨大な作業が必要になるため簡単には実施できない。いざというときに本当にデータを戻せるかどうか確信を持てていない管理者も少なからずいるはずだ。対して、PlateSpin Forgeではいつでもテストを実行できるので、有事にも自信を持って対応できるようになる。

中堅企業への最初の提案に最適

このような特徴を持つPlateSpin Forgeは、どういった分野での活用が適しているのか。

矢部氏が推す適用シーンは、本稿の冒頭でも触れたとおり、基幹業務システム以外の、これまでケアの薄かった部分になる。

「PlateSpin Forgeのリカバリー処理は、障害検知時にメール等によって管理者へ通知した後、管理者がWebベースの管理画面からリカバリー実行処理を起動するという方法によってスタートします。遠隔地に設置することを想定しており、システム全体の状況を確認してからリカバリー処理を実行するという運用を推奨しているため、システムの自動切替にはあえて対応させておりません。したがって、ミッションクリティカルシステムのような、高いRPO(Recovery Point Objective : どれだけの期間のデータ消失を許容するか)、RTO(Recovery Time Objective : どれだけのダウンタイムを許容するか)が求められる環境はあまり向いていないかもしれません。それよりも、これまでバックアップ/リカバリーの対象外となっていたシステムに補償を付加するという目的で導入するのが適していると思います」(矢部氏)

こうした事情を背景にノベルでは、「LifeKeeper」を基本としたミッションクリティカルシステムの事業継続ソリューションで大きな実績を持つサイオステクノロジーと特定一次店契約を締結。同社とノウハウを共有しながらユーザーの細かいニーズに対応できる環境を構築した。

「LifeKeeperは、ハードウェア/OSレベルではなく、アプリケーションレベルでシステムの動作状況を確認し、問題が検知されるとアプリケーションの再起動や待機系システムでの引き継ぎ処理を自動実行する製品。可用性を確保するソリューションとしては、かなり高いレベルにあります。一方で、サイオステクノロジーさんからは、事業継続で問い合わせをもらったものの、よくよく聞くとそこまでの高可用性は不要というユーザーもいると聞いています。そういった場合にPlateSpin Forgeをお勧めしていただければ、ユーザーのニーズにマッチするはずです」(矢部氏)

2Uというコンパクトなサイズでバックアップ/リカバリーのすべてを担うPlateSpin Forgeは、中堅・中小企業でも手の届く製品。「これまでの経験上、バックアップや事業継続対策がまったくいらないというユーザー企業はいない」(矢部氏)という状況であることから、サイオステクノロジーでは、これまでよりもさらに広い範囲でユーザー企業にリーチできるようになると見込んでいるという。

「PlateSpin Forgeは正面からぶつかる競合製品がありません。パートナー企業からは、比較的安価で導入作業も簡単なため、ユーザー企業に対する最初の提案に使いやすいという評価もいただいています。また、事業継続ソリューションでありながら、運用にはスキルの高い担当者は必要ないというのも大きなメリット。いざというときに専任者が不在の場合も代理の方が運用できますし、場合によってパートナー企業が運用を代行するということも可能だと思います。テストも簡単に実行できるので、パートナー企業が運用を代行する場合も、自信を持ってできるでしょう。ノベルとしては最大限の販売/技術サポートを提供していきますので、ぜひとも新しいビジネスにつなげてほしいですね」(矢部氏)

『仮想化・事業継続ソリューションPlateSpin紹介セミナー』開催決定


サイオステクノロジーでは、ノベルとの特定一次店契約締結を機に、同製品の詳細や事業継続ソリューションの販売ノウハウを紹介するセミナーを7月25日(水)に開催する予定です。

同セミナーでは「サイオスの事業継続ポートフォリオ位置づけ」や「PlateSpin Forge のご紹介」、「販売支援体制」といった講演が用意されており、販売パートナーもしくはパートナー契約を検討中の企業に対して、新ビジネスのヒントを提示していきます。

同社のWebサイトから申込みが可能なので、興味のある方はぜひともご参加ください。