旭硝子(AGC)は7月12日、東京大学との基礎研究に基づく、世界最小クラスのマイクロ振動発電器を搭載したセンサモジュールを発表した。市場開拓を目的に8月より有償提供される。
現在、センサは家電や輸送機器から、道路や建造物などの社会インフラに至るまで、身の回りの様々な分野に使用されている。しかし、センサへ電力供給するための配線や電池交換などの保守が必要となるため、設置場所や用途は限定されていた。この課題を解決するため、AGCとオムロン、小西安、THHINK Wireless Technologies JAPANは、微弱な振動を電気エネルギーに変換する小型発電器(マイクロ振動発電器)のマーケティングや技術、製品開発を共同で進めてきた。今回の発電器は、微弱な振動を効率的に電気エネルギーに変換し、安定的に電力を供給できるため、電源配線やメンテナンスが不要となる電源として注目されている。
4社のうち、旭硝子はマイクロ振動発電器用のエレクトレット材料の開発・提供、オムロンはマイクロ振動発電器の開発・製造、小西安はマーケティング、センサモジュールの提供・技術サポート、THHINK Wireless Technologies JAPANがセンサモジュールの設計・開発を担当した。
今回のマイクロ振動発電器の開発におけるキーマテリアルの1つが、AGCのアモルファスフッ素樹脂サイトップであるという。従来材料と比較して10倍以上の発電量を実現し、加速度センサなどへの電力供給に十分な性能を達成した。また、サイトップは、薄膜コーティングが可能であることから、加工性に優れ、発電器の小型、軽量化にも寄与している。