東京エレクトロン(TEL)は、ベルギーIMECと誘導自己組織化(DSA:Directed Self-Assembly)技術の開発を加速することに合意したと発表した。
両社は最近の評価により、ブロック共重合体(BCP:Block Copolymers)のDSA技術を用いて微細パターンの周期を上げることが可能であることを実証してきた。IMECが持つ300mmウェーハ向け先端リソグラフィ技術とDSA技術を組み合わせ、12.5nmのラインパターンや25nmのホールパターンを実現している。また、ASMLの露光機「NXE:3100」にインライン接続された塗布・現像装置「CLEAN TRACK LITHIUS Pro」によるEUV(極端紫外線)を用いた評価では、DSAによる欠陥修復、LER(Line Edge Roughness)低減および寸法(CD:Critical Dimension)均一性向上の効果を実証している。
DSA技術を量産工程へ移行するためには、さらなる欠陥低減と従来のプロセスフローへのDSA技術の取り込みが必要になる。このため、ラインパターンとホールパターンについて様々なインテグレーション方法を検討してきたという。さらに今後、CD均一性やLER、欠陥レベルに対する材料やプロセスの影響について理解するための総合的な評価および、DSA技術を用いた電気特性評価を行う計画。
研究室レベルの環境を超えてDSAの可能性を広げるために、IMECの300mmクリーンルームにて、DSAプロセスの統合ラインが構築されてきた。DSA向けのBCP塗布現像装置、DSAパターン転写用のエッチングシステムに加え、IMECは必要な計測装置、クリーニング装置、パターン転写装置を所有している。DSAのプロセスラインを完成させ、DSAのIMECでの研究開発を加速するために、TELは数カ月以内に新しいモジュールをIMECに提供する予定。