Mentor Graphicsは、「Mentor Embedded Nucleusリアルタイム・オペレーティング・システム(RTOS)」のSMP(対称型マルチプロセッシング)機能において、MIPS Technologiesのハードウェア・マルチスレッド拡張であるMTテクノロジを備えたMIPS32 34Kコアをサポートすると発表した。
マルチコアを搭載したデバイスの登場により、繋がり合うデバイスの性能向上と消費電力の微妙なバランスを取ることが難しくなりつつある。また、マルチコア・デバイスでは、より高い性能を追求する代償として、シリコンサイズの拡大、熱放散や消費電力の上昇といった課題が付随してくる。今回、MIPS Technologiesのマルチスレッド・アーキテクチャとNucleus RTOSによるSMP機能を組み合わせ、2つのハードウェア・スレッド機能であるVPE(仮想処理エレメント)を使用することで、コア性能をシングルコアのアプローチよりも高めることに成功した。すでに、プロセッサコア機能のテストに特化して設計された、EEMBCベンチマークであるCoreMarkによって、20%以上の性能改善が実証されているという。
Nucleus RTOSでは、負荷分散やタスクと割り込みの親和性、条件付きコンピューティング、同一CPUコア上のハードウェア・マルチスレッドの完全サポートなどに挙げられるSMPを備えたソフトウェア・フレームワークを提供してきた。今回得られた高い性能は、モバイル・アプリケーションやM2M(Machine-to-Machine)アプリケーションなど広範なシステムに活用できるとコメントしている。