こんにちは、SMM Labの小川です。
Facebookより提供されているページ解析機能「インサイト」。
30人以上ファンがいるページであれば無料で閲覧でき、また投稿毎の反応率や、ユーザー属性、流入元、いいね数やリーチ率の推移など詳細なデータを確認できるため、日々活用されているページ運用者が多いと思います。
しかしながら、このインサイト機能のそれぞれの数値の意味がいまいち分からなかったり、またどの数値を見て、それを具体的に日々の運用にどのように活かしたらよいのか、困っているご担当者もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、2回にわたって「Facebookページ インサイト機能」を徹底解説します。まず1回目は画面の数値の意味を一つずつ解説、2回目はその数値のどの部分を見て、どのように運用に活かすべきかについてまとめます。
インサイト機能の概要
Facebookページのインサイト機能は、30人以上ファンがいるページ(ページヘのいいね!が30以上)の管理人であれば、誰でも無料で利用できます。
管理者パネル「インサイト」の「すべて見る」から閲覧可能です。
インサイト機能は以下4つのメニューから構成されており、左上のボタンからいつでも切替が可能です。チェックインスポットを登録しているページは、これに加えて「このスポットにチェックインした人」というメニューを見ることができますが、ここでは省略します。
・概要
・いいね!
・リーチ
・話題にしている人
それでは、一つずつ確認していきましょう。
概要ページ 数値の見方
概要ページでは、現在のFacebookページの状態と、投稿毎の反応率を一気に確認できます。
まずはこのページを確認する癖をつけ、直近1週間、また直近1ヶ月間の数字の推移と、投稿毎のユーザーからの反応率を都度確認するようにましょう。
まず、概要ページの上半分にはFacebookページ全体の概要と1か月間の主要指標の推移が表示されています。
① 現時点のページの主要指標と、2日前を起点として直近1週間の数値の変化を確認できます。(日時は全て米国太平洋時間で表示されていることに注意しましょう)
・合計いいね!:Facebookページにいいね!といった人のユニーク数
・ファンの友達:ページにいいね!している人と友達になっている人のユニーク数。つまり、この人数までは、ファンの何らかのアクション(ページへのいいね!やページの投稿へのいいね!コメント、シェア等)が一次波及し得ることになります。
・話題にしている人: Facebookページに関して以下のアクションを取った人の合計ユニーク数。この数値をいかに上げていくかが重要です。
話題にしている人とは?
-Facebookページへの「いいね!」
-Facebookページの投稿への「いいね!」、コメント、シェア
-Facebookページからのクエスチョンへの回答
-Facebookページからのイベント招待への回答
-ユーザーからのFacebookページタイムラインへの投稿
-Facebookページへの言及(@マークでタグ付)
-写真にFacebookページをタグ付け
-スポットへのチェックイン
-スポットのおすすめ
・合計リーチ(週間):Facebookページに関連するコンテンツを見た人の週間ユニーク数。これには広告やスポンサー記事を見た人の数も含まれます。その前の3指標(合計いいね!、ファンの友達、話題にしている人)の掛け合わせによって、合計リーチの数が決まってくると覚えておくとよいでしょう。合計リーチ数は単純な掛け算ではありませんが、合計いいね!に、アクティブ率である話題にしている人を掛け合わせ、そこにさらにファンの友達を掛けあわせるようなイメージです。(つまり、前の3指標のどれか一つだけが大きければよい訳でなく、全てを伸ばすことで乗数効果的にリーチ数が増えていくイメージを持つと分かりやすいと思います。)
②2日前を起点として直近1か月間の主要数値の変化を確認できます。(日時は全て米国太平洋時間で表示されていることに注意)。
・投稿:グラフ横軸上に表示されているバブルの大きさで、その日に投稿された数を表示。
・話題にしている人:その日を起点とした直近1週間の話題にしている人数の推移を表示。
・合計リーチ:その日を起点とした直近1週間のリーチ数の推移を表示。
上記3つの指標の推移に関連性がありそうかどうかを、視覚的にチェックする上で役立ちます。このグラフ上、例えば明らかに話題にしている人や合計リーチが減少している傾向があれば、なぜその期間に減っているのかを、「投稿」に遡って検証していく必要があります。
次に概要ページの下半分を見て行きましょう。ここでは、投稿毎の反応率やリーチを確認することができます。
③表示させる投稿のタイプを選ぶことができます。ここを切り替えて下の表の数値を見ることにより、投稿タイプによってどれだけの変化が出るのかを確認できます。
④投稿毎の数値の詳細を見ることができます。インサイトの数字の中でも特に注視してみる必要がある箇所です。尚、各項目の上でクリックすることで、それぞれの項目の昇順・降順に並び替えることができます。例えば、リーチの上でクリックすると、リーチが高い順・低い順に並べ替えが可能です。まず最初にこの点は覚えておきましょう。
↑ 各項目の上でクリックすれば(上図赤枠)、それぞれの項目の昇順・降順に並び替えることが可能
・日時:投稿された日時です。尚、この表示も米国太平洋時間でされていることに注意します。投稿日付の上にカーソルを合わせると、現地時間(日本時間)が表示されます。
・投稿:投稿の抜粋です。クリックすると、投稿内容の全文が表示されます。
・リーチ:投稿が公開されてから28日間の間に投稿を見た人のユニーク数です。クリックすると、リーチの内訳を確認できます。
リーチの内訳とは?
-オーガニック:自分のニュースフィード、もしくはFacebookページで投稿を見た人を指します。自分のニュースフィードで、Facebookページからの直接の投稿を閲覧できるのはファンのみですが、ファンでない人がFacebookページで投稿を見た場合の数字も含まれます。オーガニックリーチの数字を上げていくためには、ページとしてのエッジランクの向上が何よりも大切です。
-有料:Facebookページからの投稿広告(Promoted Post)や、スポンサー記事の投稿を見た人を指します。
―クチコミ:友達が投稿に対していいね!コメント、シェア等の何らかのアクションを起こしたことにより、ページの投稿を見た人を指します。ファンにアクションしてもらい、このクチコミのリーチを広げていくことがとても大切です。
・アクションを実行したユーザー:投稿が公開されてから28日間の間に投稿をクリックした人のユニーク数です。クリックすると、詳細な内訳を確認できます。
アクションの内訳は?
アクションの内訳は、リンク、写真等、投稿の種類によって異なることに注意しましょう。
(例1)リンクの場合 リンクの投稿の場合は、そのクリックの内訳は、リンクのクリック(Facebookページ投稿からのリンクを直接クリックした回数)、生成された記事(ページの投稿にいいね!やコメント、シェアがあった回数)、その他のクリック(ユーザーの名前、タイムスタンプ、いいね!の数をクリックした回数)となります。
(例2)写真の場合 写真の投稿の場合は、そのクリックの内訳は、写真ビュー(投稿内の写真がフルサイズで表示された回数)と、生成された記事(ページの投稿にいいね!やコメント、シェアがあった回数)、その他のクリック(ユーザーの名前、タイムスタンプ、いいね!の数をクリックした回数)となります。
「否定的な意見がありました」とは?
ここでもう一つ注目しておかなければならないのが、「否定的な意見がありました」の数値です。これは、ニュースフィードでページ投稿を非表示にしたり、報告した人の数を指します。数が少ない場合はそれほど気にする必要はありませんが、数が多い場合はその理由をきちんと考える必要があります。
・話題にしている人:投稿が公開されてから28日間の間に、投稿にいいね!、コメント、シェアや、クエスチョンへの回答やイベント招待への返信をした人の数です。クリックすると、詳細な内訳を確認できます。
・クチコミ度:ページの投稿を見た人のユニーク数(=リーチした人)に対する、ページの投稿に対する記事を作成した人(=話題にしている人)の割合です。
↑上図の場合は、(話題にしている人:346)÷(リーチ:7,863)=0.044004となることから、クチコミ度は4.4%と表示されている。
いいね!ページの見方
次に、いいね!ページについてです。上半分に、2日前を起点とした直近1ヶ月間でページにいいね!している人全体の人口統計データと位置情報が表示されています(表示の期間は変更可能です)。まずはこの箇所で、自分のページにどのような人がいいね!してくれているのかを明確に知ることが大切です。
・性別・年齢:ユーザーがプロフィール情報に記載している性別・年齢を元に表示されています。全てのユーザーがプロフィール情報に性別・年齢を載せているわけではないため、合計が100%にならない可能性もあります。
・国/市区町村:ユーザーの推定居住地に基づいて表示されています。
・言語:ユーザーのデフォルトの言語設定に基づいて表示されています。
下半分には、新規いいね!数といいね取り消し数の推移、またどこでいいね!されたのか場所が表示されています。
ページ全体のファン数(いいね!数)の推移ではなく、日毎のいいね!獲得数の推移が分かるので、どのコメントや施策を打った日に、ページとしてのファンが増えたのかが一目で分かります。また同様に日毎のいいね!取り消し数の推移も見ることができます。
また、いいね!の場所がタイムライン上なのか、それとも広告を見てなのか、外部サイトのソーシャルプラグイン上なのか、モバイルなのかなど、詳細に確認できます。自分のページのことを知り、どの場所で実際にいいね!されたかを知ることは、次のいいね!獲得施策を考える上でとても大切なことです。
リーチページの見方
次はリーチページについてです。上部に2日前を起点とした直近1ヶ月間で、ページからの投稿がリーチした人全体の人口統計データと位置情報が表示されています(表示の期間は変更可能です)。自分のページからの投稿が、実際にどのような人に見られているかを把握しましょう。
また真ん中には、左側にリーチの方法、右側にリーチの頻度が表示されています。ここで特に注目しておくべきなのは、右側の「リーチの頻度:頻度別ユニークユーザー」です。これは、2日前を起点とし、1週間の間にページからのコンテンツがリーチした人の数を頻度別にグラフ表示したものです。頻度が多いユーザーが多ければ多いほど(グラフ右側の数が多ければ多いほど)、いつも投稿に何らかの反応をしてくれるコアなファンが多いことを示します。
下部では、ページアクセスに関するデータを参照できます。ページ全体のページビュー数、ユニークビジター数の推移をグラフで確認できるほか、タブ毎のビュー数や、どの外部リンク元からページに流入しているかも見ることができます。タブ毎のビュー数を見ることで、例えば費用をかけて作りこんだ「商品紹介タブ」がほとんど見られていないことに気が付くかもしれません。また、外部リンク元を見ることで、意外な流入元も見つかる可能性があります。ページをより多くの人にリーチさせるために、このパートをしっかりと把握し、対策を立てることが大切です。
話題にしている人ページの見方
最後に、話題にしている人ページについてです。上半分に2日前を起点とした直近一週間にページを話題にしている人全体の人口統計データと位置情報が表示されています。自分のページからの投稿が、実際にはどのような人に話題にされているかを把握しましょう。
下半分には、その日を起点として1週間分の話題にしている人数と、クチコミリーチ数の推移が表示されています。
尚、ドロップダウンリストからは、特定の記事タイプに関するデータに絞り込むことができます。特にこの中から、「ページの投稿に関する記事」を選択してみると、左側の話題にしている人と、右側のクチコミリーチのグラフの推移が非常に似ていることに気が付くでしょう。つまり、「話題にしている人」を増やすことが、クチコミリーチの拡大に直結していることがここで改めて分かります。
話題にしている人のページで常に話題にしている人の層を把握し、またその推移をチェックすることで、誰にどのようなコンテンツが受け入れられているのかを確認しましょう。
以上、今回は「Facebookページ インサイト機能」の言葉の定義や数値の意味を一つずつ解説しました。次回は、これら数値の中でも、特にどの箇所を見て、具体的にどのように運用に活かすべきかについてまとめたいと思います。
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