IDC Japanは7月11日、国内産業分野別IT市場における2011年下半期の分析と、2012年から2016年の予測について発表した。
発表によると、東日本大震災の影響下にあった2011年はマイナス成長を示したが、2012年は復興財政支出や金融緩和策などによって景気が浮揚し、それに伴い国内IT市場はプラス成長となった。2012年の国内IT市場規模は13兆2,452億円、前年比成長率1.1%とプラス成長を予測。また2011年~2016年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は0.4%、2016年のIT市場規模を13兆3,519億円と予測している。
2012年はほぼすべての産業分野においてプラス成長に回復するとみられており、東日本大震災とその後の電力不足の影響を大きく受けた組立製造(2012年 前年比成長率:0.7%、市場規模1兆3,336億円)、プロセス製造(同:0.9%、7,057億円)といった製造業では、経営の立て直しによりプラス成長に回復するが、国内消費の低迷や円高などの要因により海外進出に拍車がかかり、国内IT支出の伸びは小さく収まるとしている。情報サービス業(同:1.8%、7,535億円)は、震災を契機としてデータセンターに対する需要が引き続き拡大しているためデータセンターの新設/拡充が進み、官公庁(同:1.4%、7,504億円)は、震災復興や税/社会保障共通番号などの対応が進むという。
国内企業が業績を向上させようと模索する中、SNSを活用したビジネス戦略が急速に広がりを見せており、BtoCビジネスでは一般消費者の意見を取り入れる窓口や自社製品の販売促進に、BtoBビジネスでは企業名や取り扱い製品の認知度の向上に活用されている。しかしその一方で、成果が見られないまま利用停止に陥る場合があり、SNSを設置するだけではマーケティング効果は飛躍的に上がらないと言える。
同社ITスペンディングシニアマーケットアナリストの福田馨氏は、「ITベンダーはSNS導入の提案の際に適切な体制などのコンサルティングから導入後のマーケティング活動に結び付くアフターフォローまでの包括的メニューを整備しておくことが重要となる」と分析している。