3大都市圏、東京、大阪、名古屋の小中高校ほど情報化対応が遅れている実態が、10日文部科学省が公表した「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」(速報値)であらためて明らかになった。

調査は全国の公立小中高校(中等教育学校、特別支援学校を含む)を対象に、今年3月1日時点の情報化の実態を調べた。3大都市圏の情報化環境整備の遅れが目立つのは、まず児童生徒用のコンピュータ数。全国平均で見ると6.6人に1台の割合で配置されているのに、愛知県は8.3人に1台と全国47都道府県中最下位で、東京都も7.8人に1台と下から4番目という少なさだった。幾分ましな大阪府は6.6人に1台と全国平均と同じだったが、順位で言うと下から14番目。神奈川県は7.8人に1台(下から3番目)、千葉県は7.2人に1台(下から8番目)だった。

児童生徒に情報技術の活用を教える教師の能力も全国平均を下回るのがほとんど。「児童生徒がコンピュータやプレゼンテーションソフトなどを活用して、分かりやすく説明したり効果的に表現したりできるように指導する」能力があるかどうか、を教師に答えさせた調査では、「割にできる」あるいは「ややできる」と答えた教師が、中学校では大阪府48.8%(下から3番目、全国平均は57.9%)、愛知県50.7%(下から6番目)、東京都56.2%(下から18番目)だった。神奈川県(48.6%、下から2番目)、千葉県(54.3%、下から14番目)も下位にある。

小学校の教師も同様で、愛知県57.2%(最下位、全国平均66.0%)、大阪府62.2%(下から10番目)、東京都62.4%(下から11番目)だった。神奈川県57.2%(愛知県と同じ最下位)、千葉県65.1%(下から21番目)も下位に名を連ねている。

この調査は毎年、行われているが、1年前と比べて3大都市圏の都道府県比較順位には大きな変動がない。コンピュータ1台当たりの児童生徒数もほとんど同じだ。

難関大学に入るための受験テクニックでは負けないが情報技術は人並み以下、という児童生徒が3大都市圏に多いのでは。調査結果からこんな推定をする人もいると思われるが、現実はどうなのだろう。

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