SAPジャパン バイスプレジデント ソリューション営業統括本部 ビジネスアナリティクス営業本部 本部長 桐井健之氏

SAPジャパンは7月10日、クラウドベースのソーシャルデータ分析ソリューション「SAP Social Media Analytics by NetBase」の提供を開始した。価格は、最小構成で3ヵ月で58万9,950円から。

初めに、バイスプレジデント ソリューション営業統括本部 ビジネスアナリティクス営業本部 本部長の桐井健之氏が、同社のソーシャルメディア分析「Social Intelligence」の戦略について説明した。Social Intelligenceは、同社が注力するマーケットの1つ「Analytics」のうち、BI製品「SAP BusinessObjects BI」のカテゴリーに属する。

同社は、コンシューマーによって今後ビジネスが変革すると予測しており、「当社はこれまで企業の従業員にフォーカスした製品を提供してきたが、これからは、インメモリデータベースとモバイル技術をセットで提供することで、コンシューマーにフォーカスしていく」と、同氏は説明した。

Social Intelligenceの戦略としては、ソーシャルデータとユーザーインタフェースや分析機能を統合してクラウド型ソリューションとして提供することで、ソーシャルデータの分析の垣根を下げていく。

「企業にとって、情報をいかにして意思決定や創造活動に生かすかということが課題となっているが、その実現には大きなハードルがあった。例えば、世の中に公開されているソーシャルデータを自社のサーバで保有することは、コストと労力の双方において難しく、それを更新し続けることは不可能。われわれは、こうした企業によるソーシャルデータの分析にまつわるコストと作業負荷の課題を解決する」

SAPのSocial Intelligenceの戦略

SAP Social Media Analytics by NetBaseは、NetBaseが開発したクラウドベースのソーシャルメディア分析ソリューションをSAPブランド製品として再販するもの。グローバルでは1月より提供が始まっており、日本語の自然言語解析に対応したことで、国内でリリースされることとなった。

同ソリューションは、クラウド上に格納されている1.5億を超える過去1年間のデータを、自然言語解析エンジンによって、単語の検出頻度やポジティブ/ネガティブなどの単純な判断に加え、感動や情熱のような強い感情、購入、返品などの消費者行動、製品やサービスに対する意見を判断・分析する。ローカル対応としては、日本語を含む7ヵ国語への対応、TwitterやFacebookに加えて、2ch.net、ameblo.jp、rakuten.co.jp、kakaku.comといった日本の8万6,900ドメインへの対応がある。

SAP Social Media Analytics by NetBaseの仕組み

競合製品に対する強みとしては、「グローバルのデータへの対応」「多言語対応」「ソーシャルデータとビジネスデータをかけあわせての分析が可能な点」が挙げられた。

同ソリューションは、1つの単語の分析だけでなく、2つの単語の分析を比較するなど、競合製品の比較にも使うことができる。発表会では、アマゾンの電子書籍リーダー「Kindle」とGoogleブランドのタブレット端末「Nexus 7」のSNS上での評判を比較するデモが行われ、Kindleのほうがコメントの総数や好意的なコメントが多い一方、Nexus 7のほうが情熱的なコメントが多いことが示された。

Nexus7とKindleのSNS上でのつぶやき傾向の比較

センチメント傾向で見たNexus7とKindleの比較