検索エンジンを使っていて、特定のWebサイトがいつ検索結果の上位に表示されることを疑問に感じたことはないだろうか。その多くは検索エンジン最適化(SEO)対策の賜物だろう。SEO対策といってもさまざまだが、Mashableが「How to Optimize Your Headlines for Google and Humans(Googleと読者のためにヘッドラインを最適化する方法)」という記事で、Webページのタイトルを工夫するだけですぐにできる対策を説明しているので、そのポイントを紹介しよう。
といっても、Mashableの記事のアドバイスは1つだけ。「記事とページ、両方に同じタイトルを付けるのは避ける」だ。記事のタイトルとは「読者用のもの」で、ページタイトルは「Googleなどの検索エンジン用のもの」だ。
例として、Timeの記事「Beach Force One」を挙げよう。これは歴代米国大統領のバケーションについての記事だが、タイトルだけを見ると「Force One」という名称のビーチに関する記事ともとれる。一方、Vanity Fairの記事「The Woman Who Knew Too Much」(知りすぎていた女)はどうだろう? 有名なサスペンス映画のタイトルをもじった疫学者Alice Stewart氏の伝記と同じタイトルだが、不良債権買い取りプログラム(TARP)に関わった女性に関する記事だ。Mashableでは、これらは記事とページで同じタイトルを使っている悪い例とする。
同じタイトルを使いながら、内容が想像しやすく、キャッチーな例としては、Mashableの記事「15 Case Studies to Get Your Client on Board With Social Media」などをあげている。日本語にすると、「ソーシャルメディアに顧客を取り込む15の事例」といったところか。
記事とページのタイトルを変えた例としては、The New Yorkerの「Changing Times」(記事タイトル)/「Jill Abramson, New York Times' First Woman Executive Editor」(ページタイトル)などが挙げられている。記事のChanging Times(時代は変わる)は短く簡潔、読みたくなるような興味をそそるタイトルだ。一方、ページタイトルはNew York Timesの初の女性執行編集長、Jill Abramson氏についての記事だとわかるので、「編集」「New York Times」「Jill Abramson」「女性編集長」といったワードで検索している人の目につく可能性が高そうというわけだ。
「記事タイトルは人間向けに、ページタイトルは検索エンジン向けに工夫することが大切」ということがわかったところで、上級者向けにはメタ情報を入れることが薦められている。
例を見てみよう。Newsweekの記事「Citizen Cain」。記事タイトルが映画タイトルをもじったキャッチーなタイトルであるのに対し、ページタイトルには「Herman Cain's Unlikely Republican Rise」として、Herman Cain氏についての記事とわかる。メタ情報は「Meet the rising GOP star who is confounding the pundits and much of black America」と入れ、より具体的にわかるようにしている。なお、Mashableではロングテールトラフィックを期待する場合、メタ情報は逆効果かもしれないと警告している。