ルネサス エレクトロニクスは7月3日、収益基盤の強化に向けた生産効率化や財務基盤の強化などの施策として、同社グループの国内にある生産拠点の再編および人的合理化施策の方向性を決定したことを発表した。

この取り組みにより、国内生産拠点は注力分野向け生産体制の維持強化と事業の選択と集中による負荷現象ラインの縮小や譲渡、集約などが図られる。具体的には前工程工場としては、那珂事業所、甲府事業所、滋賀工場(ルネサス関西)、西条事業所、川尻工場(ルネサス九州・山口)の各200/300mmウェハラインが生産負荷に応じた適正体格で運営を継続するも、150mmウェハラインの高崎事業所、滋賀工場(ルネサス関西)、高知事業所が生産能力の縮小による適正体格での運営継続となるほか、鶴岡工場(ルネサス山形、100/300mmライン)、山口工場(ルネサス九州・山口、150mmライン)、甲府事業所(150mmライン)、高崎事業所(150mmライン)が生産能力を縮小して運営するも、事業計画に従い譲渡もしくは集約の検討を進めるとしている。

また、後工程工場としては米沢工場(ルネサス北日本セミコンダクタ)が生産負荷に応じた適正体格で運営を継続とするが、大分工場(ルネサス九州・山口)および熊本(大津)工場(ルネサス九州・山口)が生産負荷に応じた適正体格で運営を継続、ただし将来においては譲渡も検討とするほか、函館工場(ルネサス北日本セミコンダクタ)、青森工場(ルネサスハイコンポーネンツ)、福井工場(ルネサス関西)、柳井工場(ルネサス柳井セミコンダクタ)、山口工場(ルネサス九州・山口)、熊本(錦)工場(ルネサス九州・山口)が生産能力を縮小して運営、ただし事業計画にしたがい譲渡または集約が検討されることとなる。

国内前工程/後工程の各工場の集約や生産体制の見直しを進めることで適正体格での運営を目指す

さらに生産拠点の再編とともに人員の合理化施策として、早期退職優遇制度の実施を同日付で労働組合に申し入れを行い協議を開始している。

同制度の対象者は同社および国内連結子会社の社員で、募集期間は2012年9月18日から9月26日、退職日は2012年10月31日付で、優遇措置として通常の退職金に特別加算金を加算して支給するほか、希望者に対し、外部の就職支援会社による再就職支援を実施する予定。

なお、今回の早期退職優遇制度に関する募集人員の上限などは特に定められていないが、同社では5千数百名程度の応募を想定しているとしており、これによる費用削減効果は次年度以降、年間で430億円程度を見込むとしている。