楽天の子会社で電子書籍事業を運営するカナダのKoboは、日本国内での電子書籍サービスを7月19日から開始すると発表した。国内市場で販売される同社の電子書籍リーダー「kobo Touch」は同日から7980円で販売され、7月2日からkobo Touchの予約販売が開始された。楽天は、1月にKoboを子会社化している。

グローバルで事業を展開するKoboは、190ヵ国以上で900万人以上のユーザーに電子書籍コンテンツを提供している。コンテンツの閲覧は同社の電子書籍リーダーのほか、iOS、Android、Windows、Macなどでも可能。ビジネスモデルとしては、各国の大手書籍販売企業と提携して顧客を獲得していることが特徴となっており、カナダではIndigo Books & Music、英国ではWH Smith、フランスではFNACなどが例に挙げられる。

今回、日本市場に投入されるkobo Touchは、"日本における電子書籍リーダーの普及を目指す"として価格は7980円での販売。リーダーは薄さ10mmで185g。モリサワフォントを搭載し、文字を17段階のサイズで表示可能となっている。1回の充電で約30日間利用可能という。

カラーはブルー / ライラック / シルバー / ブラックの4色が用意され、6インチのタッチスクリーン 電子ペーパーは16階調グレースケール表示となっている。対応フォーマットはEPUBとPDF。内蔵メモリ2GBのうち、約1GBに約1000冊分の書籍が保存できる。

kobo Touchでのコンテンツは「koboイーブックストア」で販売される。koboイーブックストアは、英語、フランス語などのコンテンツも含めると約240万冊のコンテンツが用意されている。購入には、楽天会員IDを使用することも可能で、購入金額の1%分が楽天スーパーポイントとして得られほか、ポイントを使っての購入もできる。

同日行われた発表会で楽天の三木谷氏は、まず、「日本の読書習慣が薄れつつある。携帯ゲームなどで若い人の読書時間が減っている」とし、そのような現状を「ある意味日本の国家的な危機」と述べ、「このままでは日本の出版文化が取り残されてしまう。電子書籍事業で活性化に貢献したい」と電子書籍事業への参入の背景を説明した。

Koboの電子書籍事業については「今までさまざまな電子書籍サービスがチャレンジしてきたが、あまりうまくいっていない。最後に行きついた結論は、オープンなプラットフォームが必要というものだった。誰もが簡単にアクセスして楽しむことができる。Koboはそれができるプラットフォーム。(今回の事業で)読書革命を起こしたい」と語った。

また、現在楽天が運営している電子書籍サービス「Raboo」については、未定としつつも今後なんらかの形での統合を示唆した。