Freescale Semiconductorは、幅広い周波数範囲にわたり耐反射性能と広帯域動作を実現するRFパワー・デバイスとして、1MHz~2GHzに対応する「MRFE6VS25N/MRFE6VP100H」2品種を発表した。
25Wの「MRFE6VS25N」と100Wの「MRFE6VP100H」の2品種で、どちらも全動作周波数範囲にわたり完全なCW定格出力をサポートし、システム信頼性を大幅に増強しつつ、アンプ設計の複雑さとコストを低減。また、65:1以上のインピーダンス不整合(VSWR)に対応しつつ、同種のアプリケーション向けに設計されたGaNベースのソリューションと比べて、コストを削減した。用途としては、HF-UHFトランスミッタ/トランシーバ、テレビ用トランスミッタ、トランシーバ、航空宇宙/防衛システム、試験装置、レーダー・システムなどが挙げられ、信頼性が重要となる過酷な条件下でも障害なく動作するよう設計されている。
同社の低熱抵抗パッケージが採用されており、内部の温度上昇を最小限に抑え、長期的な信頼性を高めつつ、温度管理問題を低減する。また、幅広い動作条件にわたり回路の安定性を強化する内部ネットワークを内蔵しているため、外部回路が簡素化される。通常の動作環境をはるかに超えた条件の下でデバイスを試験しており、定格動作電圧より電圧を20%増、定格RF入力を2倍、65:1のインピーダンス不整合(VSWR)で評価している。
この他、「MRFE6VS25N/MRFE6VP100H」は、1.8~54MHzや30~512MHzなど、複数の帯域を単一のアンプでカバーすることができる。このため、部品点数を削減し、アンプのサイズや重量を減らし、電源損失を低減し、冷却システムを簡素化することができる。
「MRFE6VS25N」は、1.8MHz~30MHzで26dB以上のゲイン、512MHzで25dB以上のゲイン、50%~73%の効率を有する。「MRFE6VP100H」は、512MHzで26dBのゲイン、30~512MHzで19dB以上のゲイン、40%~71%の効率を持つ。
なお、パッケージは「MRFE6VS25N」がTO-270-2オーバーモールド・プラスチック。「MRFE6VP100H/HS」がNI-780-4/NI-780S-4エアキャビティで提供される。2品種とも現在出荷中。リファレンス・デザインをはじめとした各種サポート・ツールが利用できる。