あなたは今、この記事を座って読んでいるだろうか? スマートフォンやタブレット端末が普及した現在、Webサーフィンは座っていなくてもできる。立って読める環境にいるならば、ぜひともそうしてほしいところだ。なぜなら、長時間座っていることは危険であることを警告する記事を紹介したいからだ。

人間は座ることができる動物ではあるが、デスクワークが多く、インターネットで会議でも買い物でも何でもできるようになった現代ほど、座っている時間が長い時代はないかもしれない。

だが、Mashableの記事「Why Sitting Too Much Is Dangerous(長時間座っているのが体によくない理由)」によると、「人間の体は座るために作られているのではなく、座骨神経痛、背部痛、肩こりなどは座っている時間が長いために起きていることが多い」という。

まずは、なぜ座っていることが悪いのか、簡単な解説を見てみよう。ニューヨークのカイロプラクティック理学師、Jan Lefkowitz氏は、「座っている時、背骨には大きな負荷がかかっている。人間の体は立つことを前提に作られており、座った状態を維持することは体にとって難しい」と説明する。Lefkowitz氏の元を訪れる患者の多くは付近のオフィスに勤務するオフィスワーカーで、多くが週に50~80時間仕事をしている人だという。

スタンフォード大で健康心理学を専門とするKelly McGonigal氏も同じように、「立った姿勢では体重は分散するが、座ると背骨の自然なカーブが歪む。これにより、背中を支えるために背中の筋肉に特別の力が加わる」と説明している。何でも、アメリカ人の80%がカラダに慢性的な痛みを感じているのだという。「デスクワークはわれわれの身体と精神に大きなストレスを与えている」とMcGonigal氏は続けている。

座っていることが体によくない理由がわかったところで、対策を紹介しよう。

それは、可能な限り、立つことだ。記事によると、20分おきに立つのがよいようだが、そうもいかないという人は、連続して座る時間は最長1時間にとどめたい。

座る時にもポイントがある。座っている姿勢が悪いと、背骨にはさらによくないのだ。ポイントは「前屈みはNG」。これを回避するために、クビはまっすぐ、背中上部はややそるように、背中の下部はやや内向きに、の3つの点に注意して座ってみよう。机と椅子の距離は近く、椅子は背中半分を支える背もたれがあるとよいようだ。背中に丸めたセーターやクッションを置いて、内向きになるように工夫してみるのもよさそうだ。

そのほか、Webでは椅子の上でできるストレッチなどがたくさん紹介されているので、背中の痛みが深刻になる前に試されることをオススメしたい。