Freescale Semiconductorは、基地局の効率、ピーク出力、信号帯域幅などの向上に寄与するRFパワーソリューション「Airfast」を発表した。

同製品群は、様々なワイヤレス標準規格をサポートしており、急増するデータ伝送を管理しつつ、導入コストと運用コストを抑え、小型セルと大型セル両方の基地局展開をサポートする。

また、同製品群を補完するため、「Advanced Doherty Alignment Module(ADAM」という新しい制御製品も発表した。位相や振幅をリアルタイムで調整できるため、従来のドハティ・パワー・アンプが最適化される。「Airfast」と連動して、電力効率、出力、全周波数帯域のリニアリティなど、システム全体の性能を改善できる。

「Airfast」のうち、「AFT09S282N」は900MHz 28V LDMOS製品で、720~960MHzのRF性能を発揮し、現在発売されているOMNIプラスチックオーバーモールドパッケージ製品の中で最高のピーク出力を実現している(490Wロード・プル・ピーク出力)。

「AFT18S230S」は、1.8GHz 28V RFパワーLDMOSトランジスタで、8dBのOBOで455の対称ドハティ効率、17dBのゲインを実現。この効率水準は、非対称専用のドハティ方式を利用した複雑かつ高価なソリューションとほぼ同等となっている。また、新デバイスを非対称ドハティ・パワー・アンプで利用すると、さらに優れた効率性能を実現することができる。

「AFT21S230S」は、2.1GHz 28Vデバイスで、230W定格RFパワーLDMOSトランジスタとして高い効率を実現した。NI-780S-6パッケージで提供され、最大100MHzのVBWに対応し、対称型と非対称型のどちらのドハティ・アプリケーションでも利用できる。対称ドハティ方式で導入した場合、8dBのOBOで45%の効率、15.5dBのゲインを実現する。

「AFT18HW355S」は、インパッケージのドハティ・デバイスで、高出力PCS/DCSバンド・アプリケーションに対応する。単一デバイスで56dBmのピーク出力を達成し、平均出力8dBのOBOで48%を超える効率を達成しており、GaNベースのソリューションに匹敵する性能を発揮する。1805~1880MHzと1930~1995MHzのどちらでも動作可能で、同社の拡張ビデオ帯域幅技術を活用して、フルバンド・マルチキャリア動作を実現できる。

「MMDS25254H ADAM」は、GaAsのMMIC(モノリシック・マイクロ波集積回路)で、2300~2800MHzにおいて位相とピークの調整が可能。現在、700~1000MHz向けと1800~2200MHz向けの製品ファミリも開発中だという。