Freescale Semiconductorは、機能安全基準に準拠したシステムの開発を簡素化する車載ソリューション「SafeAssure」を発表した。
同製品は、同社の32ビットMCU「Qorivva MPC574xP」とシステム・ベースチップ(SBC)の「MC33906/7/8」ファミリによって構成されるもので、国際標準化機構(ISO)のISO 26262規格に適合する機能安全基準に準拠したシステム開発をサポート。複雑な作業を軽減し、開発期間を短縮できる。今回のソリューションは、車載機能安全度水準(ASIL:Automotive Safety Integrity Level)で最も厳しいASIL Dを含むすべてのASILレベルを満たす車載システムの開発を可能としている。電動パワーステアリング、車両姿勢制御、車両ダイナミックシャーシ制御、セーフティドメイン制御、車間距離制御、およびブラインドスポット検出などのアプリケーション開発に有効という。
自動車の安全性においては、消費者意識の変化および法規制への対応など、常に改善が求められ、電子制御ユニット(ECU)のさらなる複雑化にも対応しなければならないという課題に直面している。今回のソリューションを利用すると、各デバイスのフェールセーフ・チェック機能によりシステム設計は簡素化され、監視診断やソフトウェア・アーキテクチャ・レベルで最適な双方向処理を行うことができる。
「Qorivva MPC574xP」は、55nmプロセスで製造され、最大180MHzで動作し、統合セーフティ・アーキテクチャおよび遅延型ロックステップ・デュアルコアの機能に加えて、オンチップ冗長性が組み込まれている。また、電動パワー・ステアリング・システムなどの接合部温度が最大で165℃に達する過酷な稼働環境での動作にも対応する。さらに、従来の同社製品に比べて約2倍のメモリ容量、処理能力、およびモータ制御性能を備える。従来品とピン互換があり、ハードウェアとソフトウェアを部分的に変更するだけで、アップグレードすることが可能となっている。
「MC33906/7/8」ファミリは、MCUやその他のシステム内コンポーネントに電力を供給し、低消費電力の省電力モードによりエネルギー消費を最適化する。さらに、MCUの制御や診断を行うためのISO 11898-2-5とLIN 2.1/J2602-2の標準に準拠するCANとLINの物理レイヤ、さまざまな安全手段、およびシリアル・ペリフェラル・インタフェースを内蔵する。オプションのブースト・モードでは、エンジンのクランキング期間でもシステム動作が継続。超低消費電力モードは、電流消費を大幅に削減してウェイクアップ時間を最適化するように設計されている。従来品と同様、電磁環境適合性に対する車載機器メーカーの最新要件を満している。
32ビットMCU「Qorivva MPC574xP」とシステム・ベースチップ(SBC)の「MC33906/7/8」ファミリは、2012年第3四半期よりサンプル出荷を開始する予定。