計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人アジレント・テクノロジーは6月22日、RFICのシミュレーション/検証/解析用ソフトウェアの最新版「GoldenGate 2012」を発表した。
同バージョンでは、RFICの設計における設計検証の時間短縮、製造を意識した設計(DFM)に対応したソリューション、システム設計とのリンクを目指してさまざまな技術が盛り込まれた。例えば、設計検証は時間も手間もかかる仕事だが、同バージョンでは分散シミュレーションのセットアップ、収束性と速度の向上、膨大なデータの表示・解析機能の強化などの拡張により設計検証の短時間実施が可能となった。
また、主機能の1つでありSパラメータの拡張版と位置づけられる「Xパラメータ抽出機能」では、大信号入力時の、非線形部品の高調波の振幅や位相を特性化でき、これにより増幅器などの能動部品の非線形におけるふるまいを理解し、RFシステムやRF回路設計時に簡単に使えるシミュレーションモデルとしてデータを再利用することが可能なほか、Sパラメータと同様に数字の羅列であるため、回路の知的財産を守ることも可能だという。
さらにDFM向け機能拡張として、MunEDAの回路性能および歩留まり最適化ツール「WiCkeD」との統合を実現。これにより、プロセス変更や寄生素子の影響の自動補償が可能となったほか、RF回路全体の電力消費やノイズ低減が可能となるという。
なお、販売は即日開始されているが、出荷開始時期は2012年8月を予定している。