名古屋大学は、富士通研究所および富士通とともに、富士通研究所が開発した健康情報を測定する腕時計型センサーと、データ収集・分析・可視化システムを活用した、健康情報の収集・可視化研究を共同で開始したと発表した。
同研究では、特定症例の事例として夜尿症の患者やその家族が入力する行動・事象日誌「おひさまカレンダー(仮称)」と、患者が身につける腕時計型センサーによって、時々刻々と得られる健康情報(行動・水分・環境データ)をクラウド上に収集・可視化することで、患者の日々の行動や状況などの容易な把握と、患者と医師との間での情報共有の簡便化を目指す。
同研究を通じ、患者ひとりひとりの健康情報の収集・可視化技術を確立することで、将来の健康管理や疾病予防を図るという。
「おひさまカレンダー(仮称)」は、夜尿症を対象に、食事時間や水分摂取量、トイレの時間や回数、そして夜尿発生の有無などを、実験協力者とその家族が入力するシステム。実験協力者自身による入力を通した情報収集とともに、いつもと違う行動や事象発生など、変化への気づきを期待する。
腕時計型センサーは、水分センサーによる夜尿の事象検知、温度センサーなどによる環境情報、加速度センサーなどによる行動情報といった、健康にかかわる情報(健康情報)を自動取得し、健康情報を可視化する。
センサーデータと入力データを統合して収集・分析・可視化するシステムにより、夜尿の事象発生を、水分センサーにて検知し即時に通知することで、家族による迅速な対応を可能にするなどQoL(Quality of Life)の向上を目指し、また事象発生と、収集された他の情報との関係性の抽出も試みるという。