富士通とNTTコミュニケーションズは6月21日、国内の通信トラフィックが最大規模となる東京-大阪間で、商用敷設ファイバーケーブルを用いて、次世代光伝送技術(デジタルコヒーレント伝送技術)による100Gbps-DWDM伝送実験に成功したと発表した。
実証実験では、国内の長距離伝送路で多く用いられているDSF(Dispersion Shift Fiber:分散シフト)ファイバーに適したL-bandを用いて行われた。具体的には、100Gbps-DWDMの商用導入を想定して、伝送路ルートの変更に伴う光ケーブルの変更や波長増減設作業など実運用を模擬した実験が行われ、8Tbps(100Gbps×80波多重)での商用運用が可能な品質が確認された。
加えて、あらゆるネットワークで考えられる波長分散や偏波モード分散を実伝送路に付加した際に、自動的に補正されることが確認された。これにより、これまでのネットワーク設計に不可欠であった個別ネットワーク毎の事前ファイバー測定や個別設計の条件を緩和し、運用できることが実証された。
同日、NECもNTTコミュニケーションズが実施した100Gbpsの光伝送実験において、東名阪間の商用敷設ファイバケーブルを用いて、1波長当たり100GbpsのDWDM伝送に成功したと発表している。